31 ページ31
.
A side
なんでだろうなあ
俺も少し酔ってたのかな
なんて考えながら
ユンギくんを送った帰り道を
夜風に吹かれながら歩く
危うくジホの事を話してしまう所だった
こんな話、誰にも出来るわけないのに
俺のせいだとか
こんな世界じゃなかったらとか
そんな暗い話したって
ただでさえ、第二性に悩んでいるユンギくんなんかに話したら
辛い思いをさせてしまうだろうに
ユンギくんは不思議だ
弱い部分を見せまいと頑張っているように見えていたのに
他のみんなの前では
かっこ良くて男前な振る舞い
周りにも慕われていて
俺も尊敬する部分が沢山ある
なのに、俺といる時は
少しだけ可愛くなる
ユンギくんの本当の部分
少し弱くて甘えん坊な部分
俺にだけ見せてくれてるのかな
なんて特別感を感じて
俺もどこか
特別扱いしてしまっている気がする
全てはあの夜
始まったんだな
恋とか愛とか
そんな話じゃなくて
俺とユンギくんしか分からない
二人だけの何かが
ある気がするんだ
こんなこと言っても
ユンギくんは、は？、って感じになると思うし
勝手に特別扱いみたいな事されたら
気持ちが悪いよね
今日は酔ってたからあれだけど
ちゃんとセーブしないとな
お節介は度が過ぎると良くないからね
ジホの事があってからは
Ωと呼ばれる彼らに
特に世話を焼いてしまい
逆に迷惑がられてしまったり
引かれてしまったこともあった
ジホの命日が近づくと
精神が安定しない
俺は誰かを助けることで
自分を保っているのかもしれないな
そんな壊れかけの未完成な男
そんな本性を知られてしまったら
心配をかけるどころか
俺を見る目が変わってしまうだろう
だからこそ、隠して誤魔化してきた俺を
少しずつ崩されている気がするのは
気のせいかな
｢今日も曇りか……｣
ユンギくんとあった夜は
大抵曇り空だ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「BTS」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月13日 0時
