〝運命〟ということ【YG】 (ページ16)

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「あのっ」

A「ん？」

普通に対応する彼に

少しだけ、いやかなり疑問だった

「どうして何も言わないんですか…？
それに、βって……」

A「…あの時のことは、忘れたい事だろうなって思ってたし
接しにくいかなと思って
それに、βだって偽ってるのは
誰でも個人として見たいし、見られたいからかな」

「そう、ですか…」

A「αだからって全員が優れてるわけでもいい人なわけでもない
Ωだからって弱かったり劣ってたりしてるわじゃない
それが当たり前だって主張していきたいしね」

意思の籠った強い瞳

それに俺は

少し惹かれた

それに、彼をもっと知りたいとも思った

彼にだけ感じる、特別な何か

それに、やっと会えたんだし…

「俺も、そう思います…
だから、こうやって頑張ってきて…」

A「うん、ユンギくんはすごいと思う
全力で宣伝したくなる商品だった」

「そんな…」

A｢ふふ、本気だよ｣

｢ありがとう、ございます……｣

A｢改めて、これから宜しくね｣

｢はい｣

これから仕事が終わるまで

かなり顔を合わせることになるだろうし

その中で、彼のことをもっと知って行けるよな

それに、知っていきたい

A｢ちゃんと抑制剤飲んでる？
ちゃんと大通り通って帰ってる？｣

｢…はい｣

たまに近道したくなるときは

裏道通ったりしていることは内緒にしておこう

A｢はい嘘｣

｢えっ｣

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