再会の果てに生まれたもの【YG】3【番外編】【By Request】 (ページ10)

今日:27 hit、昨日:44 hit、合計:50,486 hit

. ページ10

.

外出ると、もう既に真っ暗な空に

少し冷えた風が吹く

ここは大通りの真ん前だし

少し人のいない場所に移動しよう

自分の熱を持て余したまま

フラッと歩きながら

店の裏に向かって

店の裏の壁に寄りかかった

「はぁ…ふぅ……」

どんどん息は荒くなるばかり

体の熱も冷めない

どうしたものかと思っていると

足音が聞こえて

その方を見た

誰だ

ユンギ、じゃないし

〈Aさん〉

「…？」

よく顔を見てみると

いつもステージ裏でお世話になっているメイクさんだった

彼らのメイクをどう服に合わせるか

事細かに聞いてくれて

俺らとしても服を決めやすかったりして

いつも助かっていた

そんな彼女が、何故ここに

〈体、熱いんですよね〉

「え…、？はぁ…っ」

〈ふふ、私がその熱を解放してあげますよ〉

「な、に言って…」

するっと俺に触れた彼女は

俺の下に手を伸ばす

その手を掴んで彼女を見た

〈体熱いんですよね
今すぐ冷ましたいんですよね？〉

「何を言ってるんですか」

〈ずっと、見てました
私の視線、気づいてましたよね？〉

「……あなただったんですか」

〈ふふ、だって
どうしても目で追ってしまうから〉

「じゃあ…薬を入れたのも」

〈私ですよ

Aさんがユンギさんを想っているのは分かってます

でも、一度でいいから抱いて欲しかった

その腕で、その体で、その声で、その顔で

一度でいいから

一度したら諦める踏ん切りがつくと思ったんです〉

「そんなの受け入れられると思いますか」

〈そんな強気な事言ってられるほど余裕があるようには見えませんよ

ほら、欲に忠実になってください〉

.