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1話 ページ2

これは私のほんの少しの昔話…。





私が5歳の頃知らない人に買われた。

自分が何者かさもわからなかった。

でも、私の瞳や髪の毛の1本でさえも値が付くと言っていた。

それで私を100億ジェニーで買ったらしい。

それから私は観賞用の熱帯魚のように何もせず、何も発さず、ただ時間だけが
過ぎていった。

私はその時生きた心地もしなかった。
私は、水を自由自在に操れる能力があることは何となくだが分かってはいた。
だから水を操っていつでも殺してやろうとはおもってはいたもののそれを終えた後の私は一人だ。

何も持ってない。また一人になってしまう。


そんなことを考えつつ半年がたち
諦めようと考えながら眠りにつこうとしていた時だった。




足音もなく家に侵入して来た男の子がいた。

その子は、私を買った男もその家族までもを暗殺したようだった。

そして、開かずの間が開かれ、私を見てこう呟いた。


「綺麗だね。」ポツリ


はじめて言われた言葉に終始驚きを隠せなかったが、ちゃんと切りそろえ切りそろえられた髪、吸い込まれそうな真っ黒のきれいな瞳に私も綺麗だと思った。

それから彼は、手を口に当て考えるようなしぐさを見せた。

それから何かを思いついたようにひらめいたポーズをとっていた。

それが、とても面白くて世の中と距離を置いて生活していた私には

なぜだか人とこうしていられるだけでも温かく感じた。
そんな時いきなり彼は

「外の世界を見に行く?」と聞いてきた。

私は嬉しくて泣いていたようだった。

それを見て一瞬驚いたしぐさを見せたが、なぜ私が泣いているのか分かったかのように続けた。

「俺はイルミ。俺が自由にしてあげる。」

と彼は笑った。

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作者名:咲輝 | 作成日時:2019年9月8日 21時

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