36話 ページ2
――ところは変わって、場面は武装探偵社に移る。
探偵社に保護された泉鏡花は、敦と国木田と共に橘堂へと足を運んでいた。
「…黒い薔薇」
一通り話終えた後、鏡花はぽつりと声を漏らした。
「え？」
「黒薔薇の少女。その芥川という男と、マフィアが必死になって探していた人物」
「ば、薔薇？」
聞き慣れない人物に敦が首を傾げていると、国木田の目が鋭く細められた。
「…なるほど、『幻夢の黒薔薇』か」
「えっ、国木田さん知ってるんですか？」
マフィアが探しているということは恐らくその少女は黒社会の人間なのだろう。
と云うことは、探偵社が過去に関わったことのある人物なのかと敦は思ったが、国木田は「いや」と首をふった。
「俺も噂でしか耳にした程度で詳しくは知らんのだが、確か2、3年前までマフィアに所属していたと聞いたことがある」
「そう」
国木田の言葉に鏡花は頷いて、言葉を続けた。
「構成員から『姫君』と呼ばれていて、3年前に失踪してからずっとマフィアが探し続けていると聞いた。
もし『幻夢の黒薔薇』らしき人物を見付けたら、任務を全て擲ってでも捕縛しろとも」
何か知らないか、と鏡花は二人に視線を投げ掛けたが、勿論敦は知らないし、国木田も首をふった。
鏡花はその様子を見て「そう」と哀しげに目を伏せた。
「…もしかして、その少女の捕縛が今回の本当の任務だったとか？」
「違う。会ってみたかっただけ」
死ぬ前に、とは云わなかったが、彼女の暗い目はこの先に待っている自身の運命を諦めているようにも見えた。
伏せていた目をあげると、鏡花は再び口を開いた。
「彼女も私と同じ元孤児で、14でマフィアに拾われたと聞いた。
私と同じ状況で、そこまで愛される人物がどんな人だったのか、見てみたかった」
37話→←Dream like phantasmal girl
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ちょっとすごいしじみ(プロフ) - コメント欄から失礼します。そーっと帰ってきました(小声)。だいぶ時間が出来たので、今まで書き溜めたシーンを繋げてゆったり投稿を再開します。どうか気長にご覧いただけると嬉しいです。 (2020年12月25日 23時) (
レス) id: da54526cc7 (このIDを非表示/違反報告)
しらゆき - 更新待ってます！ (2020年5月9日 3時) (レス) id: 5efd194ceb (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとすごいしじみ(プロフ) - 流界さん» 大変遅くなりましたが帰って参りました。ダラダラ更新になってしまうと思いますが皆さまに楽しんで頂けるよう精進して参りますので今後もよろしくお願いします。 (2018年5月1日 23時) (レス) id: da54526cc7 (このIDを非表示/違反報告)
流界(プロフ) - 初めまして！僕この作品大好きなので応援してます！！更新頑張ってください！(*´ω`*) (2018年4月17日 21時) (レス) id: ff8d2998f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクサクしないクッキー - １４巻買ったんです！いやもうヤバすぎて爆転思想。 (2017年12月11日 14時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@ちょっとすごいしじみ@ x他1人 | 作者ホームページ：http://asdfghjkl
作成日時：2017年11月9日 19時
