ユンギさんの飼育方法２

その後… ページ46

『…あれ？』





部屋に入るなりキョトンとするA


辺りを見回し荷物を下ろすと


戯けたことを抜かすAにため息が出る








『祝賀会…じゃ、ないんですか？』








なわけあるかっ、んなの一日で十分だわ







それよりも…ちょっと充電させてくれ


無防備なAの背中に抱きつき


これでもかってくらいギューッとキツくする






『っ、…ユンギ、さん？』






細くて華奢な身体の感触を吸い付くように確かめると


ちょっと前までシャンプーの匂いしかしなかったクセに


一丁前に大人の女へと変わった甘い香りが俺の鼻を掠める





『ど、どうしたんですか？』


「変わったな、」


『えっ、何ですか急に』







私、もう１９ですよ？と少しだけ拗ねた声









そうか、もうそんなになるのかと一人思いを巡らせる


俺の真似ばかりしていたあの頃の姿はもうなく


自分で稼いで買ったというブランド品の服にいつの間にか全身纏われ


目の前にいるはずのAはどこか別人のように感じた…









肩を掴み向き合うかたちにさせると


心配そうに見上げる目が俺の気持ちを高ぶらせる









『ホントどうしたんですか？忙し過ぎて疲れちゃいました？』







と、ゆらゆらと揺れる汚れを知らない黒い大きな瞳が俺を捉えて離さない








「…あぁ、疲れた。お前が癒してくれよ」


『うーん…でも、どうやって？(笑)』








ホント…、お前は何も知らないんだな…。








だけど、それが俺を安心させるんだ


俺が付いてやらなきゃ、俺が教えてやらなきゃ…って









『ユンギ…さん？』









怖がらせないように


そっと手を取り、握ったまま


導くように、ゆっくりと


バカでかいベッドが大きく占める奥の部屋と進んだ…

その後…→←その後…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す