50 ページ50
『…ユンギさん！…私、…やっぱり、』
事務所を出て
宿舎への道のりを半分くらい進んだところで
後ろから急に呼び止められる
『…やっぱり、…私は皆さんに会えません！ユンギさんとも、もう…』
「は？」
ピタリと歩みを止め
俯く小さな姿がそこにあった
ここまで来ておいて何を言い出すんだ…
「あいつとのことだったら、、」
『…ち、違います…』
「あぁ？」
『…いや、違くないんですけど…、わ、私は…やっぱり…』
ごちゃごちゃと…何を迷ってんだよっ
「…お前が言ったんだろ？教えてくれって」
『じゃ、…ユンギさんはいいんですか？』
「なにが」
『なにが？Aさんのことですよ、…ホントにもういいんですか？』
……。
…そりゃ、あいつには悪いとは思う
でも
たぶん、あんとき
お前に初めて声を掛けた日から
こうなることが決まっていたかのように
お前に惹かれてる自分がいる
あいつのことを考えれば
お前が俺んとこにくるのは難しいってことぐらい分かってるさ
でも、もう嫌なんだ
俺から離れて行くのを黙って見てるのも
これから先
誰かのものになるのを知らぬふりするのも
愛した人を、大切な人を傷つけて始まった恋だから
手放しでははしゃげない
んなの、百も承知だ
「怖いか？」
『…っ、』
いけない恋だと
言われぬよう
思われぬよう
いっそう、お前のように
無知な子供のフリをしようか
じゃないと
もっと好きになってしまうから
…ホントは、お前もそうなんだろ？
だから、躊躇ってるんじゃないのか？
「…俺はお前がいればいい」
他人がどう思おうが
何を言われようが
やっぱり
自分のこの手で救ってやりたい
お前に教えてやりたいんだ…
「いいからついてこい！」
欲しいものは手に入れる
去るものは追わない
俺はいつだって身勝手な人間なんだ
お前は従順で素直な奴だろ？
だから、今もこうして
お前の腕を引くこの手を拒むことをしないんだろ？
このまま二人で
誰も知らないとこへ
誰にも見つからないとこへ
逃げてしまおうかなんて幼稚な考えが頭をよぎる
そのくらい俺はもう
お前が愛しくてたまらないんだ…
なぁ、A…
お前も同じ気持ちだろ？
そうだと、言ってくれ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 944人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ままさん。(プロフ) - Ayaさん» コメントありがとうございます…んーなんと言っていいのやら(._.；)ごめんなさい…今回はハッピーエンドではなく、切ないピュアラブストーリーが書きたくて。続編も視野に入れて続きを作成中なんですが、引き続きお付き合いいただきますよう宜しくお願いします<(_ _)> (2018年3月28日 23時) (
レス) id: 50153dd64f (このIDを非表示/違反報告)
Aya(プロフ) - 続きになります→正直2人に元に戻ってほしいと思っていたので残念です。 あまりにも報われなさすぎて悲しくなってきました。 (2018年3月28日 18時) (レス) id: b5b4b01464 (このIDを非表示/違反報告)
Aya(プロフ) - 短編も読んだのですが読んでて悲しくなってきました。別れてもユンギが気になって頼んだことだから仕方ないとはいえユンギがあの子に惹かれてるのが分かった時の悲しくて苦しい気持ちが痛いほど伝わってきて… (2018年3月28日 18時) (レス) id: b5b4b01464 (このIDを非表示/違反報告)
ままさん。(プロフ) - ホイホイさん» コメントありがとうございます！ホントは50話で完結させようとしたのですが、まだまだ続きそうです(｡-_-｡)…更新頑張ります！ (2018年3月25日 8時) (レス) id: 50153dd64f (このIDを非表示/違反報告)
ホイホイ - すっごく感動しましたほんとにいい話ですねこれからも頑張ってください！ (2018年3月25日 1時) (レス) id: c85ffb4ce0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ままさん。 | 作成日時：2018年3月6日 21時
