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189話 ページ49

押し潰されるような痛さが頭に響く。




でも、そんなことを気にしている場合じゃない。




切っても切っても減っていく様子はなく、自分達の体力だけが奪われていく。





「はぁ…はぁ…」





息が上がる。




気がつけば戦場かと思うほど地面には死体が散らばっていた。





大樹「っち…どんどん湧き上がってくるな…減るどころか増えてきてねぇか?」




「そうだね…」





やっぱり2人だけでは…と思った瞬間





「いっ…!!」





経験したことが無い痛みに襲われる。




敵に隙を見せてしまい、肩に刀が掠った。




私は力任せに敵をねじ伏せる。





大樹「A!!」




「平気っ…!」





足でまといになりたくなかった一心で咄嗟に答えてしまったが、既に限界を超えていた。




周りが霞んでいき、自分が生きているのか死んでいるのかさえ分からなくなっていた。




ただひとつ分かることは私に向かって刀が向けられているということ




今まで生きてきて死ぬのが怖いと思ったことなんてなかった




親を殺した私に残っていたのは何も無い




私は感情がない化物だから




そう思っていた




先生に出会うまで




私という化物は感情を取り戻した




だけど死ぬのが怖いと感じることは無かった









.









.









私はふと銀時のことを思い出していた




"銀時に会いたい"




こんな所で死ぬわけにはいかない




そう思っていたけど




私に向かって刀を振り下ろされる




"私はここで死ぬんだ"なんて呑気に考えていると突然の恐怖に襲われた




全身に鳥肌が立つ




私は初めて死という恐怖を感じた




"死にたくない"




そう思っていても体は言うとこを聞かない



瞼が下がっていく




私は最後に





「約束、守れなくてごめん」





そう言い切ると全身の力が抜け体が前に倒れていく




周りにとっては一瞬の出来事だけれど、私にとってスローモーションのようにゆっくりと倒れていくのを感じた




隣からは大樹の声




そして





「「A」」





遠くからは私の会いたかった2人の声が重なって聞こえた









続く

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作者名:みかん。 | 作成日時:2019年2月23日 21時

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