１７１話 ページ31
坂田｢ちゃんと食べねぇと大人に｢先生はご飯食べてたのかな｣…｣
｢ちゃんと毎日食べてたのかな｣
坂田｢A…｣
｢先生、もうこの世にいないんでしょ？｣
坂田｢なっ…｣
Aは最初から分かっていたかのように話す。
｢そりゃ私だって最初は分からなかったよ…でも今まで過ごしてて何となくそんな感じがした｣
坂田｢あ、のなA…｣
｢ん？｣
坂田｢先生は…｣
"俺が殺した"
そう言いたかったがなかなか口に出せない。
坂田｢っ…｣
｢どうしたの？らしくないじゃん｣
坂田｢…………も、もし俺が…｣
｢うん｣
.
.
坂田｢先生を、殺したっつったら………どうする｣
｢…………え？｣
Aが驚いたような顔をする。
それもそうだろう。
自分の恩師を自分の仲間に殺されたなんて…
｢ど、どうするも何も…なんでそういうこと言うの…？坂田が殺した訳でもないし…｣
坂田｢っ…………俺が殺したんだ｣
｢な、何言って…｣
坂田｢ヅラと高杉が幕府に捕まって奈落に『仲間か師のどちらを殺すか選べ』って言われてそれで…｣
｢先生を、選んだんだね｣
Aは声を荒らげる訳でもなく、静かに呟いた。
坂田｢なぁA…俺っ！｣
｢ありがとう｣
Aが俺に発した言葉は先生と同じ"ありがとう"という感謝の言葉だった。
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作者名：みかん。 | 作成日時：2019年2月23日 21時
