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性別のことはあえて伏せ、冥冥さんにお願いしようと思ったもう一つの理由を話す。
すると携帯の向こうから「成程…」と少し面白そうな声色が聞こえてきた。
「それなら確かに私の方が適任か。私の術式は戦闘向きではないからね」
冥冥さんの含みある言い方に俺はハッとする。
聞き方によっては貶しているようにも捉えられたかもしれないと言った後に気付いて、慌てて口を開いた。
「あ…いやその…すいません、言い方が悪かったかも。俺は純粋に冥冥さんの実力を買って依頼してるんで…」
「ふふふ、わかっているよ。Aは少し真面目過ぎるからからかいたくなってしまうんだ。許しておくれ」
「…怒ってはないですけど、心臓に悪いんでやめて下さい」
俺は頭を抱えて深い溜め息を吐く。
この人のことは嫌いじゃないが、こういうところがどうも苦手だ。
「…では、そろそろ本題に戻ろうか。依頼内容については問題ないよ。だから後は報酬次第かな」
(金の話になると急に真剣な声色になるなこの人)
ある種感心しながらも、この報酬の話で冥冥さんのが依頼を受けてくれるかどうかが決まるので、俺は慎重に口を開いた。
「報酬の件ですが、今の俺に冥冥さんへ支払える金は持ち合わせていません。先生に頼んで任務を詰め込んでもらうので、それで支払おうと思ってます」
「それは任務の報酬が入ってから改めて私に依頼をするということかな？」
「いえ、出来ればすぐにお願いしたいので結果的には後払いになるかと」
「…A。君はもう少し賢いものだと思っていたよ」
呆れたような溜め息の後に、残念だと言わんばかりに冥冥さんはそう言った。
「悪いがA。その依頼は受けられない。命の保証が効かないのが我々術師だ。そんな信頼に欠けるような契約は…」
「そう言われると思ったので、もう一つ、報酬を用意します」
話を終わらせようとしている冥冥さんの言葉を遮って、俺は一つ提案をする。
「今回の依頼料とは別で、今後俺が受けた任務報酬の二割を永続的に冥冥さんにお支払いします。悪い話じゃないでしょう？だって…」
近くの木に停まって、俺のことをじっと見つめている一羽のカラスに向かって、俺は不敵に笑ってみせる。
「冥冥さんが稽古をつけてくれるんですから絶対に強くなれるし…早々に死ぬなんてこと、有り得ないでしょう？」
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Blue Berry(プロフ) - 雪マカロンさん» コメントありがとうございます！！面白いと言っていただけて感謝しかありません…！これからも精一杯頑張らせていただきますね！ (2021年4月15日 19時) (
レス) id: 734c250f2d (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 初コメ失礼します！とても面白い作品で、一気に読んでしまいました。更新頑張ってください！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
Blue Berry(プロフ) - 夜空さん» いつも読んで下さってるんですね！ありがとうございます！今後も毎日2話更新できるよう頑張りますね。 (2021年3月25日 9時) (レス) id: 734c250f2d (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - いつも楽しみく読ませてもらってます。更新楽しみにしてます頑張ってください (2021年3月25日 6時) (レス) id: 51f6c9b5da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Blue Berry | 作成日時：2021年3月24日 20時
