【wrwrd】伝説スナイパーの後継者２【ci】 (ページ9)

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懸念ページ9

「あいつらのほとんどは暗殺部隊…ゾムの隊の隊員やねん。けどゾムはいくら訓練やいうても全然手加減せえへんやろ？しんぺい神からも暗殺部隊は任務外で怪我しすぎやって文句言うし…。そんな時にあの子が来てん」
「『伝説のスナイパー』に育てられた娘？」
「せや。やから何かを期待して、あの子に教わりたいって言い出したんやないかなぁ」

トントンの説明を聞いてもなお、納得する気配のないチーノ。

それもそのはず。
結局はゾムの訓練についていけない兵士たちの甘えが原因なのだから。

「…で？トントンはあいつらに同情して要望を通したんか？甘すぎるやろ」

不満オーラを全開に、トントンを睨みつけるチーノ。
トントンは目を閉じ、今日何度目かわからないため息を吐く。

しかし、その後目を開いたトントンは神妙な顔つきをしていた。

「…ホンマはまだ…口外したくないんやけど」

スッと顔を近づけ、声量を抑えるトントン。

「近々、争いが起こるかもしれんのや」
「争い？また戦争でもすんの？」

トントンに合わせて、チーノも声量を落とす。

この国の総統は戦争好きで有名だ。
その為、新人のチーノですら戦慣れしていて、トントンがそんな神妙にする理由が分からなかった。

「戦争やない、紛争や」
「紛争？どこの地域で？」

怪訝な顔をするチーノに、トントンが左右に首を振った。

「まだ、何も分かってへん。情報が少な過ぎるんや。…けど、グルさんは紛争が起こると思っとる。…俺も、何か嫌な予感がすんねんな…」

こういう時のトントンの勘は、よく当たる。

チーノは何か大きな災いに巻き込まれるような気がして、顔をしかめた。