【wrwrd】伝説スナイパーの後継者２【ci】 (ページ7)

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見守る者たちページ7

翌日。

Aはそのまま城に泊まらせてもらい、早速兵士たちと手合わせをすることになった。

「よろしくお願いします。Aと申します」
「「「よろしくお願いします！！」」」

十名を超える兵士を前に、Aは緊張した様子もなく、いつもの無表情で挨拶をする。
それからグルッペンに渡されたであろう指示書を確認しながら、兵士たちに簡単な説明を始めた。

「…あの子、俺らと会った時もそうやったけど、知らん大人の男相手でも物怖じしいひんな。『伝説』に育てられたからそうなったんか…元々あの子がそういう性格なんかは知らんけど」
「……」
「おいチーノ、お前いつまで拗ねてんねん」
「…別に拗ねてへん」

Aの様子を遠巻きに見守る、トントンとチーノ。
チーノは結局昨日からずっとこんな感じだった。

「Aちゃんが誰かと手合わせしてんの見るん嫌なら自分の部屋で仕事したらええやんけ」

トントンが書類に視線を落としながらため息を吐く。
２人は訓練場の脇に設置されたテーブルに書類を持ち込んで仕事をしていた。

「…そういうトントンは何で見に来たん？わざわざそんないっぱい書類持ってきてここでやるより、執務室でやった方が効率ええやん」

トントンの言葉をスルーして、山積みされた書類を横目にチーノが尋ねた。
トントンはまた一つため息を吐いて、ペンを手に取る。

「ホンマはグルさんが来たがっててんけどな。仕事がたくさん残っとったから俺が代わりに…ちゅーかそもそも兵士たちの要望をグルさんに通したの俺やから」

チーノがジト目でトントンを見る。

こうなる原因を作ったんはお前か、という無言の訴えに気付かないフリをして、トントンは自分の仕事に集中した。