【wrwrd】伝説スナイパーの後継者２【ci】 (ページ20)

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遊び心ページ20

我々国城敷地内に存在する裏庭。
ちょうど城の真後ろにある為、この暑い季節でも、裏庭は比較的涼しい場所だった。

夏の生ぬるい風に吹かれ、明るい茶髪のくせっ毛が揺れる。

2人分の足音が聞こえてきて、我々国外交官であるオスマンは口元をほころばせた。

「ちょっとオスマンさん！Aにドレスなんて着せてどういうつもりなんですか！？」
「なんやチーノまで来たん？似合っとって可愛えやろ」

チーノに声を掛けられようやく振り返ったオスマン。
視界に入ったAの姿を見て

「もう着替えてしもたん？似合っとったのに…」

と少し残念そうにしていた。

「俺はAの保護者なんで！勝手なことされたら困ります！」
「どちらかというとAちゃんの方が保護者っぽいけどなぁ。というかチーノ、俺に先越されたからって八つ当たりせんの。余裕のない男はモテへんで？」

クスクスと女性のように上品に笑うオスマン。
図星だったのか、チーノは反論せずそのまま黙ってしまった。

「まぁまぁ、ちょっとした遊び心やん。やからそんなに睨まんといてや」

言いながらオスマンはチーノに近付き、ポンポンッと肩を軽く叩いた。

「オスマンさん、これを…」

その横からAがきれいに畳んだドレスを差し出す。
オスマンは困ったように眉を下げた。

「それ、プレゼントのつもりやってんけど…気に入らんかったん？」
「プレゼントだったんですか？…いえ、ですがこんな高級なもの、いただけません」
「友達からのプレゼントなんやから金額とか野暮なもん気にせんでええんよ？」
「そういうわけにはいきません。せめてお代は払います」
「友達の頼み事でも？」
「はい」

頑なに受け取ろうとはしないA。

意外と頑固な子やな、とオスマンは苦笑した。