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振り返らずに。 ページ46

私たちは食事を終えて、店を出た。
駅から来た道をまた二人で歩いた。


日はとっくに沈んでいたが、
通りの店の明かりのせいで、街は明るかった。


「…俺さ、韓国帰ってきて、
Aと会えたら、ヨリを戻したいって思ってたんだ。」


駅に近づいた時、リュウセイがそう言い出した。


「…え?」


リュウセイの言葉に驚いて、脚を止めた。
そう言うリュウセイの表情が見たくて、顔を上げた。


「繋がらないの分かってて、何回か電話かけたりしてた。
でもやっぱり遅かったなって。…いるんだろ?好きなやつ。」



少し照れたような、困ったような顔をして、
リュウセイがそう言った。


そして、止めていた脚を再び、駅の方に向けて進めた。


「なんでそう思うの?」


「元カレの勘?
なんか付き合ってた頃より綺麗だし。
もう前向いてんだなあって。」



頭に浮かんだのはジヨンだけだった。


リュウセイという星を見失って、
暗い夜の中を彷徨ってた私を救ってくれた人。



「うん、いるよ。好きな人。」


「どんな人?」


「聞いてどうするの?」


「いいじゃん。」


リュウセイはそう言って笑った。


「素直で、まっすぐで、
少し強引なところもあるけど、優しい人。」


無難に聞こえるかもしれない。
でも、ジヨンは私にとってそんな人だった。


G-DRAGONだなんて、思いもしないでしょ?
ジヨンは私の中では、ジヨンだ。


素直で、まっすぐな人。


「ふーん、いい人なんだ。…敵わないな。
嫌味じゃなくて、Aが幸せになってくれたらって思ってる。
お前のファン第一号として、小説も楽しみにしてるから。」



「ありがとう。
…また小説書くよ、イ・ソラとして。
リュウセイも仕事頑張ってね。」


「おう。じゃあな。」


そう言って、手を振るリュウセイに、
私も、親しみを込めて、手を振った。


2人別々の道に、振り返らずにやっと進める。

作者から皆様へ。→←振り返らずに。



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作者名:carly | 作成日時:2020年5月20日 21時

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