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振り返らずに。 ページ43

ジヨンに家まで
送ってもらうのは初めてだった。
ソウルには、今年も暑い夏が近づいてる。


「ありがとうね、いろいろ。
お仕事、頑張ってね。」


昨日の夜、ジヨンと会ってから、
今日の今まで、長い1日だった。

ジヨンはこれからお仕事なんて信じられない。


「ねえ、俺が昨日言ったこと、本心だから。」


運転席のジヨンがそう言って私を見つめるから、
何も言えなくなった。



「Aのこと好きだってやつ。」


躊躇いもなく、ジヨンはそう言うけど、
ジヨンの耳は赤くなっている。


「うん。」


伝わってるよ、ちゃんと。
向き合わなきゃならないのも分かってる。


「ちゃんと分かっててくれてるなら、いいんだ。」


納得したようにジヨンはそう言って、ゆっくり瞬きをした。



「また連絡する。」


ジヨンに何で言えばいいのか分からなくて、
いつものようにそう言った。


うん、またね。
ジヨンはそう言って、力なく笑う。


ジヨンの車から降りて、外に出ると、ぬるい空気が私を包む。
マンションのエントランスをくぐって振り返ると、
ジヨンの車は、まだそこにあった。



ジヨンに向かって手を振ると、
遠くの車から手を振るジヨンが見えた。



部屋に着いて、すぐにユウタに電話をかけた。
まだお店のオープン前、電話に出てくれるといいけど。



『もしもし?』

何コールがなった後、ユウタの声が聞こえた。


「もしもし、ユウタ?」


『うん、どうしたよ?』


「リュウセイの連絡先教えて。」


『…いいけど。どうすんの?』


「どうすんのって…会うよ。」


そう、会いに行かなきゃ。
パブで会って、あんな別れ方したままだった。


『大丈夫?』

心配そうなユウタの声が聞こえる。


「うん、大丈夫。」


ユウタは私にリュウセイの番号を教えてくれた。


『落ち着いたら、また飲みに来いよ。』

「うん。フルーツたくさんのカクテル考えといて。」

『了解。』


そう言って切れた電話。
ユウタは私にとって兄のような存在だ。
なんでも話せる男友達。頼りになる兄。


ユウタから聞いた番号に早速電話をかけた。

振り返らずに。→←見て見ぬフリ。



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作者名:carly | 作成日時:2020年5月20日 21時

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