The Bubble 1st (ページ34)

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傷付けたくない。ページ34

「…なんなの？
ジヨンのいないところでは、何しても
とやかく言わないって言ったじゃん。」

だから、ジヨンに会わなければいい。
ジヨンと出会う前に戻ればいいだけだと思った。

「…やっぱり嫌なんだよ、どうしようもなく。
こんなこと、やめて。」

ジヨンはそう言って、
髪をかき上げ、天を仰ぎ、ため息をついた。

その整った横顔を見ると余計に何も分からなくなる。

こんな風になるなんて、思ってなかったの。
だってジヨンだから、G-DRAGONだから。

タクシーが去った後、通りにはジヨンと私以外、
人気はなく、車道を走り抜ける車の音だけが聞こえる。

「…こんなことって、
ジヨンともそうだったじゃない。」

私の言葉にジヨンが傷ついた顔をする。

傷付けるのは嫌だけど、
実際、こうしてジヨンのこと傷つけてる。

でも私はこんな風にしか居られないし、
私にはこれが一番良い。

黙ったままのジヨンに、

「分かってるの、
私、ジヨンのこと傷つけてるでしょ。
…もう会わない方がいいよ、私たち。」

そう言って、ジヨンの手を振りほどこうとするけど、
あの日のようにジヨンの手を振り解くことができないほど、
ジヨンの手は力強く私の手を握っていた。

「好きなんだよ。」

ジヨンがまっすぐ私を見つめてそう言った。

一瞬、頭が真っ白になった。

その言葉は私には見合わなくて、勿体無くて、
私に向けられていい言葉じゃない。

なんでもいい、何か言わなきゃ…
ジヨンの強い手を振り解けるほど、
強い言葉でも、嫌な言葉でもいい。

何か言わないと、私の気持ちがもたない。

そう思考を巡らせてるうちに、
ジヨンは再び口を開き、

「好きだ。」

その一言をもう一度呟き、私を抱きしめた。