生意気女と嘘つき男。 ページ13
「こうでもしなきゃ、話せなかったじゃん？」
「…そうだけど。」
「さすがに俺んちに来るって言うとは思わなかったけど(笑)
いいな〜？ガホ、お前はこんなに心配してもらえて。
俺だって、捨てられた犬みたいに寂しかったのにさ。」
嫌味ったらしくそう言って、
ガホの頭を優しく撫でるジヨン。
「ほら、早く上がって。」
後ろからそう急かして、ジヨンは私をリビングに通した。
「で、なに？
なんなの？こんな嘘までついて。」
ガホはまだ私の膝の上で大人しくしてる。
「俺、Aのこと知りたいんだよね。」
「私の何を？」
「んー、全部。」
全部って。
何がこの人をこんなに
突き動かしてるのか分からない。
こんな女のこと、早く忘れてよ。
「話したら、帰っていいの？」
「ううん、それじゃ意味ねえの。
話さなくていいから、これから仲良くして。」
仲良くして。なんて小学生？
世界のG-DRAGONが仲良くしてくれ、なんて。
訳分かんない世界軸に迷い込んだみたい。
「あ、やっぱり１つだけ聞いていい？」
ジヨンら思い出したように、私の方を見てそう言った。
「…なに？」
「なんでこんなことしてんの？」
「こんなことって？」
「男をヤリ捨てるみたいなこと。」
強い目をして、ジヨンが私を見つめるから
ああ、私、この人のこと傷付けたんだって感じた。
「別にそんなつもりじゃなかったの。
後腐れない関係しか興味ないだけ。」
「なんで？」
「愛したって、結局、皆いなくなるの知ってるから。
これくらいが楽で、自由で、私には合ってるの。」
「いなくなるって、そんな経験があるってこと？」
ジヨンの的を射た質問に
私は何も、答えることができなかった。
頭に浮かんだ"あの顔"をすぐにかき消した。
「まあ、話したくないならいいけど。」
ジヨンは答えない私を横目で見て、そう言った。
「…私も質問。」
１つだけ、ジヨンに質問がある。
ずっと気になってることがある。
「なに？」
「なんで、私なんかに構うの。」
「一目惚れだから。」
恥ずかし気もなく、
そう言い切るジヨンを
「物好きだね。」
突き放す方法しか、私はまだ知らなかった。
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作者名：carly
| 作成日時：2020年5月20日 21時
