隠した傷と手のぬくもり。 ページ16
仕事終わりに公園のベンチでジヨンを待つ。
やっぱり待ち合わせをここにして正解。
お店の前に数人ファンの子達が居たから。
昼間に切ってしまった指先に巻かれた絆創膏は血でもう赤くなっていて、ダミさんにもらった新しい絆創膏を巻き直した。
車高の低い黒い車が公園の前に止まって、窓があく。
何の変装もしてないジヨンが車の中から手を振る。
ジヨンの車に駆け寄って
「誰かに見られたらどうするの？」
ジヨンを隠すように窓の正面に立った。
「大丈夫だって。…ほら助手席、乗って。」
こういうところ、意外と鈍感。
ジヨンの言葉に促されて助手席に座る。
「仕事お疲れ様。」
そう言って頭をひょいっと下げるジヨンにも
「ジヨンもお疲れ様。」
同じ言葉を。
絆創膏を貼った右手はさっと後ろに隠した。
ジヨンが選んだ映画はラブストーリー。
アメリカでも話題になったものだった。
「…ポップコーン買ってくる。」
薄暗い映画館の中、チケット二枚私に渡して売店に向かった。
G-DRAGONが映画館でポップコーン買ってる(笑)
そんなミスマッチ感が可愛くてつい笑ってしまう。
「…何ニヤニヤしてんの？」
帰ってきたジヨンがそう尋ねる。
「いや、なんか可愛いなあって(笑)」
「可愛いって何(笑)」
少し不服そうに笑うジヨン。
「なんでもない(笑) ほら、いこ？」
もうすぐ上映時間。
シアタールームに入るとそこは私が今まで行ったことのある映画館とは全く違う場所だった。
ゆったりとした大きめのソファが並ぶ。
足も伸ばして寝そべって見れるようなところ。
「すご。ジヨンここいくらなの？」
デートのたびにお金を出してくれるジヨン。
「そんな高くないよ。
俺が好きなんだ、こういう方が。」
ジヨンはそう言って予約していた席に着いた。
シアターが暗転して、近日公開される映画のトレーラーがいくつか流れた後、映画が始まる。
すごく切なくて甘いラブストーリー。
隣の席のジヨンに目をやると
映像の光に照らされて綺麗な横顔が見える。
映画に見入るジヨンにつられて私も映画の世界に入り込んだ。
映画のストーリーが中盤に差し掛かったとき、
ジヨンと隣り合った左手の指がジヨンの右手の指と絡まった。
映画館の暗闇の中、手を繋ぐことなんて何のメリットも意味もないのに。
優しく握ってくれるジヨンの手を私もゆっくり握り返した。
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さら(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！ありがとうございます(^^) (2018年11月13日 16時) (
レス) id: 39872b9653 (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - kaoringo_wkさん» 遅れました！ごめんなさい！楽しんでもらえたら嬉しいです (2018年11月13日 1時) (レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
kaoringo_wk(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2018年9月29日 11時) (レス) id: b4dad2df01 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 更新頑張ってください♪続きがきになります！ (2017年12月8日 8時) (レス) id: bcd166530e (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - アピポさん» ありがとうございます！そう言っていただけるのが一番嬉しいです(^^) (2017年1月24日 17時) (レス) id: 673529a72c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2017年1月3日 0時
