Romantic Role 1st

非現実的な提案。 ページ3

「でも、チェリナはアメリカ、ボムは絶対ボロが出る、ダラはイメージ落ちるだろうし、ミンジは若過ぎる。crazyから選ぶのも考えたが、パフォーマンスのたびにヒヤヒヤするのも嫌だからな。」





いや、ダラヌナのイメージ落ちるって俺に失礼だろ(笑)





俺の知らないところでここまで社長が考えを巡らせてたなんてある意味恐怖だし、姉や妹のように慕ってる仲間とそうなるなんて、気分が悪くなりそうだ。







「そこで…」





社長がいつも不気味で勝ち誇ったような笑みをニヤリと浮かべた。





「お前の恋人が無名の一般人でも完璧なやつだったらどうだ？才色兼備で裏表も嫌味もない性格。有名すぎず芸能界に対して欲のない子だったら？」






「まあ、確かにアリ…？」





今みたいに遊び続けるよりは一人の相手に落ち着けば確実に好感度は上がるだろう。
さらに相手が完璧な人だったらなおさらだ。







「だろ？だからここから選べ。」





そう言って社長は５枚の履歴書のようなものを俺に渡した。





顔写真と経歴。






「選べって…」




「面接は今週末だ。そこで選べ。
もう少し残ると思ったんだが、先にこっちで書類審査した結果この５人しか候補に残らなかった。」






いつも話は突然だ。
なんの前触れもない。




いつも水面下である程度話は進んでるし。
今だって俺の返事聞く前に５人キープしてる。






「この中の誰かと熱愛報道を流すってこと？」





「そうだ。事務所公認のカップルにする。安定したお似合いの仲良しカップルとしてファンにも認知してもらう。」




そんな話うまくいくのか…？
そんな俺の疑問を見透かして答えるように社長が話を続ける。





「熱愛報道で離れてくファンの数は予測がつく。SE7ENとヨンベの前例を考えればな。ひとりの恋人を大切にすれば戻ってくるファンもいる。一番お前にとってもBIGBANGにとっても良い結果に必ずなる。」




必ず良い結果に……ねえ…？



社長の非現実的な提案と５枚の履歴書。
全てはここからだった。

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