予想外。 ページ6
広くて綺麗なバスルーム。
鏡に映る自分が視界に入る。
濡れた私はここにひどく不似合いだった。
ジヨンと出会ったのはクラブだった。
友だちのソアに、紹介したい人がいるからと
連れてこられたVIPルームにいたのがジヨン。
音楽番組やMVでも数えきれないくらい見た彼が
すぐそこにいて、不思議な感覚だったのを覚えてる。
BIGBANGのMVは全て数え切れないくらい見たし、
メンバーそれぞれのソロ曲だって何回も聴いた。
ジヨンに会えたあの夜は私にとって特別だった。
「A！お疲れ〜！」
仕事終わりに遅れて合流した私に
そう声をかけるソアは高校からの友人だ。
社会人になった今も連絡を取る数少ない友人。
ソアの顔は既に赤くて、
いつもよりテンションが高い。
「だいぶ飲んでるね(笑)」
「ふふ、まあね〜(笑)
ねえ！VIPルーム行かない？」
「入れるの？」
VIPルームに行ったことはなかった。
あまり興味がなかったから。
音楽に身を任せて踊るのが好きたから、
混み合ったフロアで充分だった。
「うん！伊達に毎日通ってないからね〜(笑)
それに、今日はちょっと特別なの。」
意味あり気にソアがそう言う。
「なんで？何かあるの？」
「いい人が来てるから！着いてきて！」
ソアに腕を引かれて、
足を踏み入れたVIPルーム。
「ジヨン！紹介する！私の友達、A！」
ソアが声をかけたソファに座るその後ろ姿は、
黒髪にロックグラスを持った男性だった。
彼はロックグラスをテーブルに置き、振り向いた。
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作者名：carly
| 作成日時：2021年2月5日 20時
