Must be Love 1st (ページ14)

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芽生え。ページ14

「…私、ヨンベのファンなの。」

Aの口から出たその言葉に、何故だかがっかりした。

なんだヨンベのファンか。

ヨンベのだったんだ。

俺じゃなくて、ヨンベか。

説明のつかないその気持ちを無視して

「……あーなるほどね。
ヨンベの結婚がショックだった？」

Aに確認するようにそう尋ねた。

俺の言葉にAは小さく頷いた。

雨の中で立ち尽くしてた理由を俺が聞いたら
Aは俺が呆れるだろうと言ってたけど

この感情はそれじゃなかった。

他のメンバーのファンに会うことなんて日常茶飯事だし
BIGBANGそれぞれのメンバーにファンは多い。

なのに、何故か今までにないくらいに
がっかりというか、モヤモヤしたものが心を覆った。

「なんで俺と初めて会った時、
ファンだって言わなかったの？」

クラブで出会ったあの日のAを思い出してみる。

カクテルを飲むAの横顔や
落ち着いたその声や、他愛もない雑談を。

同じグループのメンバーに会えば、
もう少し違った反応をするものじゃないだろうか。

メンバーのファンだから紹介してとか、
上部だけでも仲良くなろうとするもんじゃない？

「…だってジヨンはヨンベじゃないもん。
ヨンベのファンだっていうのと
私とジヨンが会ったのは別じゃん。」

なんて、あっさりした返事。

良い意味なのか、そうじゃないのか分からない。

それは俺がヨンベには到底敵わないって意味なのか。
ヨンベよりも、俺を近くに感じてくれているのか。