抱きしめる分。 ページ37
少しの間、頭を悩ませて、
「…私も頑張るから、ジヨンも頑張って。」
隣に座るジヨンの方を向いて、その身体を抱きしめた。
これでいいのか分かんないけど。
隣に座るよりもっと近くでジヨンを感じたかった。
「…Aに抱きしめられると、
いつもあの日を思い出すよ。」
静かな声でジヨンがそう言う。
耳にジヨンの吐息を感じる。
"あの日"って、
たぶん、ジヨンの家にお見舞いに行って
玄関でジヨンを抱き寄せた日の事だろう。
反射的にジヨンを抱きしめてしまった日。
ジヨンが私に身体を預けてくれた日。
思い返すと、途端に恥ずかしくなって
何か言い訳をしようと
「あれは…」
そう言いかけると、
「すごい嬉しかったから。
今までにないくらいに安心した。」
ジヨンがそう言って、頬を私の肩に預けるのがわかる。
その重みがなんだか嬉しくて、
「必要な時はいつでも抱きしめるよ。」
そう呟いて、ジヨンの背中を撫でた。
ジヨンの腕が私の背中に回り、温かい温度を感じる。
ジヨンが求める時は、そばにいたい。
その願望は恋に落ちた時から変わらない。
それに、私もジヨンにそばにいて欲しいと思う。
ジヨンは知ってるかな。
ジヨンの温度、香り、声が、私の心を穏やかにすることを。
ジヨンとじゃなきゃ感じられない感情があって、
ジヨンにしか埋められないところが心にある。
「好き。」
気の緩んだ心から漏れた本音が言葉になる。
もう逃げたり、誤魔化さない。
ジヨンが私を少し強くしてくれたんだと思う。
ジヨンは黙ったまま、腕を緩めた。
身体に感じていた温度が離れる。
茶色い瞳と視線が合う。
「何が…？(笑)」
笑いながら聞くジヨン。
「……ジヨンのことが。」
私の言葉に、ジヨンはまた嬉しそうに笑って、
さっきよりも強く、ジヨンが私を抱きしめた。
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愛嬌(プロフ) - いつもどの作品も大好きです。今回の作品特に大好きです。続編期待したいです^_^ (2021年3月9日 21時) (
レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いてます。有難うございますぜひこの一緒に暮らした後も見てみたいと思いました！ (2021年2月26日 20時) (レス) id: 93edf5acd5 (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - さあとさん» お読みいただき、ありがとうございました！そう言ってもらえてとても嬉しいです！引き続きジヨンさんのお話を書いていこうと思いますのでよろしくお願いします(^^) (2021年2月8日 22時) (レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - 楽しいお話読ませて頂きありがとうございます(^o^)ほっこりしました。のんびりとしたゆったりとした、二人の雰囲気良かったです。次のお話も楽しみにしています(^^) (2021年2月6日 18時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！会いたくなっちゃいますよね…(笑)きっともうすぐ姿を見せてくれるはず！そう思ってもう少し待ちましょう…(笑)引き続きどうぞよろしくお願いします！ (2021年2月5日 20時) (レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2020年9月5日 8時
