ふたりきり。 ページ20
「俺はAが好きだよ。」
俺の言葉に、俯いてたAの瞳が不意に上がる。
その瞳を真っ直ぐに見つめた。
Aの大きな瞳に涙浮かんで、
長い睫毛を伝って、ポロポロと零れ落ちた。
「…なんで泣くの？」
なだめるようにそう尋ねると、
Aは鼻をすすりながら、口を開いた。
「……私も…好き…だから」
Aの唇から漏れた言葉は、
俺の頬を緩ませ、心拍さえも容易に上げる。
肩を震わせるAを抱き寄せた。
涙のせいで不規則に乱れたAの吐息と
温かい温度を胸に感じる。
好きだと言ってくれたAが愛しくて
何かいい言葉を探すのに、
「じゃあ…余計に。何で泣くの(笑)」
そんな言葉しか出てこない。
「…っう、んっ…」
まだ少し苦しそうに呼吸を乱すAの身体を離した。
「…俺はAが好きで、Aも俺が好きなんでしょ？」
Aはコクンと頷いた。
そして、瞳に溜まった涙を細い指で拭った。
「…ずっと、不安だったんです。
突然あんなこと言っちゃったから…
ジヨンさんの負担になってたら、
今までみたいに会えなくなったら…嫌だって。」
負担なんかじゃないのに。
確かに、苦しい時もあった。
Aを思えば、いつでも心は温かくて、
苦しみさえも愛おしかった。
「負担なんかじゃないよ、
会えなくなったりもしないから。」
負担どころか、俺は助けられてる。
苦しかったのは、俺だけじゃなかったんだって、
涙を流すAに強くそう思う。
「ほら、泣かないで。」
目尻に溜まった涙をAの指の代わりに拭う。
Aの呼吸が静かになったと思ったら、
俺が握ってたAの手がしっかりと握り返してきた。
「ジヨンさんのことっ…好きです……すごく！」
涙で潤んだ瞳で赤い顔したAが
改まってそう言うから、心はまた温かく満たされる。
素直に向き合ってくれるAが、
堪らなく可愛くて、嬉しくて、愛おしくて。
「俺も好き(笑)」
俺も真っ直ぐ伝えていこうと思う。
Aの頭を撫で、額にキスをした。
そして、もう一度ゆっくりとAを抱きしめた。
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愛嬌(プロフ) - いつもどの作品も大好きです。今回の作品特に大好きです。続編期待したいです^_^ (2021年3月9日 21時) (
レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いてます。有難うございますぜひこの一緒に暮らした後も見てみたいと思いました！ (2021年2月26日 20時) (レス) id: 93edf5acd5 (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - さあとさん» お読みいただき、ありがとうございました！そう言ってもらえてとても嬉しいです！引き続きジヨンさんのお話を書いていこうと思いますのでよろしくお願いします(^^) (2021年2月8日 22時) (レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - 楽しいお話読ませて頂きありがとうございます(^o^)ほっこりしました。のんびりとしたゆったりとした、二人の雰囲気良かったです。次のお話も楽しみにしています(^^) (2021年2月6日 18時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
carly(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！会いたくなっちゃいますよね…(笑)きっともうすぐ姿を見せてくれるはず！そう思ってもう少し待ちましょう…(笑)引き続きどうぞよろしくお願いします！ (2021年2月5日 20時) (レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2020年9月5日 8時
