Good to You 2nd (ページ43)

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だめ。ページ43

その日の夜。

今日は私がお店を閉めて帰る日。

ディナーがひと段落し、
オンニもソンジュンくんも仕事を終えて帰った後。

閉店まではまだ時間があるけど、
お客さんがこのまま来なければ、片付けを始めてもいいかな…
なんて考えてると、食堂の扉が開く音が聞こえた。

「こんばんは。」

それに続いて、聞き慣れた声も。

「ヨンベさん！こんばんは。」

そう挨拶するとヨンベさんがニコッと笑った。

「お食事ですか？」

「あ、いや、そうじゃなくて。
これからジヨンち行くんだけど、Aもどうかなって。」

「あー…」

「もう明日から、ジヨンも復帰で
最後に一応？会いに行こうと思ってさ。」

「私、今日は終わるの遅くて…」

「何時くらい？」

そう聞かれて、食堂の壁掛け時計を見る。

「あと１時間半くらいは出られないですね。」

「あー…そっか。じゃあ、難しいかな？」

「私は全然、平気ですけど…
ジヨンさんが明日からお仕事復帰なら、
遅くに訪ねるのも申し訳ないので、今夜はやめておきます。」

この前だって、急に行っちゃったし、
明日から仕事なら、早く休んだ方がいいだろうし…

行くべきじゃない理由は、いくらでも思い浮かぶ。

「…わかった。急に押しかけてごめんね。」

「いいえ！
誘っていただいて、ありがとうございます。」

「ううん、今度はまた食べにくるよ。」

「あ…！ヨンベさん、ちょっと待っててください。」

去ろうするヨンベさんをそう呼び止めて、
私はカウンターの裏に向かった。

持って帰ろうと思ってた夏みかんを２つビニールに入れる。

柑橘系の果物は、
疲労の回復や免疫力を上げる効用がある。

だから、ジヨンさんにも食べて欲しい。

「これ、良かったら持って行ってください。」

ヨンベさんにそのビニールを手渡した。