Good to You 2nd (ページ33)

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溶かす温度。ページ33

こんな馬鹿な俺だけど、助けてよ。

都合良いやつだって思われて、当然だ。

アフターパーティーで
あんなひどい態度を取ったんだから。

でも、もうどうしようもない。

情けないのは分かってるけど、
無様なのも、痛いくらい分かってるけど、
自分１人じゃ、どうしようもない。

きっと、Aだけだ。

俺をこんな気持ちにさせるのは。
俺をこんなに安心させてくれるのは。
こんな俺を救えるのは。

身体を預けるように、Aの肩に頭を落とす。

濡れた赤い髪から落ちた水滴がAの服に染みを作る。

俺がこうしてAに触れることで、
真っ白で無垢なAに黒い染みができるような気がした。

俺のせいAが汚れてしまうような気がして、
それがひどく怖くて、嫌で、悲しくて、
咄嗟にAから身体を離そうとした。

なのに、
離れようとした俺をAの腕が抱きしめる。

Aのことを突き放したのは俺なのに。
もう、Aとは今まで通りにはいかないだろう
って頭の片隅で思ってた。

そんな心配も、不安も、
こうやって溶かしてくれることが有り難かった。

Aの温かい手が俺の背中を撫でて、
その温度やAの香りが俺を癒した。

それに甘えるように、身を委ねるように、
俺は、Aに身体を預けた。

「俺は……帰ろうか？(笑)」

困ったようなヨンベのその声が、
俺とAを現実に引き戻した。

「え…あ！ごめんなさい！
ジヨンさんも……ごめんなさい…」

Aがパッと腕を緩め、身体を離す。
赤くなった顔と伏せたままの瞳。