Good to You 2nd (ページ24)

今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:112,762 hit

手遅れ。ページ24

でも、

私が幾度となく見てきた
優しく微笑むジヨンさんも、ジヨンさんだし、
私はそんなジヨンさんが好きだった。

今まで見えなかった
ジヨンさんを知るのが、少し怖かったけど
心配していたよりも、大丈夫だった。

嫌悪感を抱いたり、恐怖を感じることはなかった。

それよりも、そんなジヨンさんのことが心配だった。

「……ジヨンさんも帰りませんか？
昨日倒れたんですよね…今日は帰って休みませんか？」

出過ぎた真似だって分かってるけど
私はジヨンさんに、そう尋ねた。

ヨンベさんに頼まれたから、ではなくて。

ジヨンさんがそんなにお酒を飲む理由も
ヨンベさんに強く当たる理由もわからないけど、

楽しそうには、到底見えないジヨンさんの表情が
私の心までも、辛くさせたから。

「いい。…気をつけて帰って。」

ジヨンさんは首を横に振って、そう断った。

「分かりました。おやすみなさい。」

私はジヨンさんの言葉に頷いて、会釈をした。
視線を上げると、ジヨンさんとしっかり目が合った。

今夜がジヨンさんにとって、辛い夜になりませんように。

よく知るその綺麗な瞳に、そうお祈りをした。

「…A、行こう。そこまで送るから。」

ヨンベさんは私に小声でそう呟いた。

その言葉に頷いて、ジヨンさんから離れた。

ジヨンさんも、私たちに背を向けて、
元いた人混みに消えていった。

ヨンベさんは、ここに来た時と同様に
私をエスコートするように、出口の方へ導いてくれた。

「A、ごめんね。」

フロアを抜けて、明るいロビーに出た時、
ヨンベさんがそう呟いた。

「なんでヨンベさんが謝るんですか(笑)
私がお礼を言わなきゃならない立場なのに。
今日は楽しかったです。ありがとうございました。」

シリアスな表情のヨンベさんの気持ちを和らげたくて、
明るい声色で、そうお礼を言った。

でも、ヨンベさんの表情は変わらなかった。