Good to You 2nd (ページ19)

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不安の影。ページ19

「Aちゃん、すごく綺麗だね。」

テソンさんが一口飲んだシャンパングラスを
テーブルに置いて、優しく笑ってそう言った。

「だろ？俺が選んだんだよ。」

そう言うタプさんは、もう２杯目をグラスに注いでる。

「そのショッピング、僕も行きたかった～！」

なんて、口を尖らすスンちゃんを
いいだろ？って、タプさんが肘で突く。

そんないつもと変わらない様子。

いつもと変わらないBIGBANGなのに、
大切な１人が足りなかった。

みんなとゆっくり飲んだ後、

「ジヨン、探しにいこっか。」

ヨンベさんの提案に頷いた。

もう２時間くらい経っただろうか。
それでもジヨンさんは一度もここには戻ってこなかった。

２階の個室からは、
あまり分からなかったけど、
フロアはすごく盛り上がっていた。

「きっとあの真ん中だね。」

階段を降りると、
ヨンベさんが遠くのDJブースを指差してそう言った。

このパーティーの中心地である、そこ。

「行ける？」

「はい、大丈夫です。」

人混みをかき分けるヨンベさんの背中にくっついて、
その中心に近付く。

何ｍか進んだとき、ジヨンさんを見つけた。

青いライトを浴びる整った横顔と首筋のタトゥー。
右手に持ったボトルから、そのままお酒を飲む姿。

知ってるジヨンさんなのに、別人のように見えた。

私が知るジヨンさんとも、
昨日ステージで見たG-DRAGONとも違う。

そして、ジヨンさんと目が合う。

私の方を真っ直ぐに見つめるジヨンさん。

たぶん、気が付いたのだろう。

でも、ジヨンさんは私から目を逸らして、
手に持っていたボトルから、お酒を飲んだ。

あ…なんか、
私、来るところ間違えたかも。

今夜、初めてそう感じた。
私の知らないジヨンさんに、そう感じさせられた。