Good to You 2nd (ページ1)

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知らない感情。ページ1

Aは約束通り、
仕事終わりにスタジオまで来てくれた。

ヨンベが帰って２人きりになったスタジオ。

「茶碗蒸しと…お惣菜も食べますよね？」

慣れた様子で紙袋から茶碗蒸しのカップ２つと、
お惣菜が入ったタッパをいくつか取り出して、
デスクに並べるA。

「食べる。Aも食べるでしょ？」

きっと、仕事中は食事なんて取れなくて
今日も、仕事終わりにそのまま来ただろうから
Aも晩飯は食べていないだろう。

「はい(笑)
今回はちゃんと持ってきましたよ？」

そう言って、割り箸を２膳、両手に持って見せるA。

「無くったって、俺が食べさせてあげるのに。」

ちょっと揶揄いたくなって、そう言ってみる。
それに、あの夜もAと過ごせて、楽しかったから。

少しの意地悪と本音が曖昧に混ざった言葉。

「ジヨンさんに食べさせてもらうと、
緊張しちゃって、ダメなんです(笑)」

そんな俺の言葉にも、Aは丁寧にそう答えて
少し照れたように笑った。

俯いた瞳に、揺れる長い睫毛。
少し赤くなった頬に、控えめに笑った唇。

Aは、いつも綺麗だ。
Aの人柄を知ると、その外見の無垢な美しさも
更に際立って感じるようになった。

「そうなの？俺は好きだよ。
Aに食べさせてもらうの(笑)」

あの日、二日酔いでダメになった俺に
Aはとても優しかった。

いつもAは優しいんだけど。

なんだか特別を感じて嬉しかった。

「そういうの、サラッと言わないでください(笑)」

俺の揶揄いは、まんまとAに届いて、
Aは、恥ずかしくなったのか、手の甲で顔を隠した。