秘密。 ページ40
「そっか。ユウタさんは元気？」
『元気だよー。
ジヨンに会いたがってたよ。』
「Aは、もう家着くとこ？」
『うん、今日はジヨンち帰るよ。ガホと寝るんだ。』
「なにそれ、ずるくない？」
あの広いベッドで眠るAを思い出すと、
ガホすら、羨ましく思えてくる。
Aと会えない時間に、なんとか耐えてるのに。
ガホに対してまで、そんな風に思うくらいに、
Aに会いたいんだ、俺は。
『いいでしょ。家着いたらガホ見せてあげる。』
それなのに、鈍感なA。
「そうじゃなくて。
Aと寝るガホが羨ましいの。」
『そっち？…何言ってんの(笑)』
いつものように呆れて笑うAが恋しい。
『ガホ、パパに挨拶して。』
そう言うAの声と
ビデオ通話に切り替わって画面に映るガホの姿。
「ガホも元気そうだね。」
尻尾を振って、カメラに近づくガホ。
『うん。
散歩の時、元気過ぎて引っ張られてるよ。』
ガホに引っ張られながら
散歩するAの姿が簡単に想像できる。
帰ったら俺も混ぜてもらおう。
Aとガホの散歩に。
「Aの顔も見せてよ。」
そう、それが電話をかけた一番の理由。
Aの顔が見たい。
今日はどんな日だった？
どんなことを考えてた？
なんて、聞きたくなるけど、
Aの顔が見れれば、きっとそれで満足。
『いいよ。』
その言葉とともに、
ガホの姿からAの顔に画面が切り替わる。
久しぶりに見るAについ頬が緩む。
大きな瞳も、白い肌も、小さな唇も、笑った顔も、
俺を見送ってくれたAのままだった。
『ジヨンも、もうホテル？』
「そうだよ。」
Aと話したくて、
いつもより早く帰ってきたことは言わない。
『じゃあ、ジヨンもカメラONにしてよ。』
携帯の画面の向こう、Aがそう言う。
「いいよ、待ってね。」
カメラをオンにして向かいの壁を移すカメラを
内側に向くように切り替えた。
『…え、待って！やっぱりいい！』
Aが慌てた声でそう言った。
携帯の画面を手で覆っているのか、
画面に映っていたAの顔に指の影が重なって、
Aの顔が見えなくなる。
「…え？なに？」
Aの反応に全く心当たりがない。
画面からAの指は消えたけど、
今度はAが目元を手で覆う。
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carly(プロフ) - さあとさん» 最後までお読みいただき、ありがとうございます！楽しんでいただけて、嬉しいです。新作の方も温かい目で読んでいただけると有り難いです(笑) (2020年6月27日 22時) (
レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - 楽しかった〜(^^)私はキャリーさんが書きたい小説を書いていいと思います。また、楽しいお話待ってます。新作早速覗きに行ってきます (2020年6月26日 20時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2020年6月7日 14時
