秘密。 ページ39
「…やっぱり指輪なんて重たい？」
「知りませんよ〜！！
買うんですか？買わないんですか？」
日本の宝石店。
東京の街を歩いている時、
ショーウィンドウの指輪が気になって、
一緒にいたスンリと店に入った。
「んーーーーー。」
買うなら、これって決めてる。
ただ問題は、買うか、買わないか。
だって、指輪だぞ。
Aに重いって思われたら？
俺たちには、まだ早いんじゃないか？
指輪って、どのくらい付き合ったらあげるもの？
なんて、不安で頭がいっぱい。
「そんなに悩んでる時間ないですよ。」
呆れた声でスンリがそう言う。
「分かってる。」
コンサートの前のリハまであまり時間はない。
そろそろ戻らなきゃならない時間。
スンリに急かされつつ、悩みに悩んだその挙げ句、
「……買う。」
買ってしまった。Aに指輪を。
喜んでくれるかな？
正直サイズすら、少し不安。
握った時のAの指とか、
俺よりだいぶ細いよな？とか考えて、
なんとなくで買ってしまった。
これから何度も、Aを韓国に残して、
仕事のため、世界を飛び回らないとならない。
その間もAが俺を忘れてしまわぬように。
俺がAを好きだってこと、
Aは俺の特別だってこと、
離れていても、Aを想っていること、
Aがこの指輪を見るたびに思い出せるように。
これから、どんなに辛いことやすれ違いが起きても、
Aが俺を見失ったり、不安になったりしないように。
こんな気持ちで、指輪を買うなんて重たい？
笑って喜んでくれるAのことを想像しながら、
買った指輪を、大切に大切にバッグの奥にしまった。
今日も無事、コンサートを終えた。
東京は今日で終わり。明日は大阪に移動。
コンサートの後、指輪を買った余韻のせいなのか、
いつにも増して、Aの声が聞きたくなって、
急いでホテルに戻り、電話をかけた。
〜♪♪
『もしもし？』
「もしもし、A？俺だけど。」
『今日はもうコンサート終わったの？』
「うん、終わった。
Aは、何してるところ？」
『パブで飲んだ帰りのタクシー。』
まだ早い時間にタクシーで家に帰るAに、
確かな安心と微かな喜びを感じる。
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carly(プロフ) - さあとさん» 最後までお読みいただき、ありがとうございます！楽しんでいただけて、嬉しいです。新作の方も温かい目で読んでいただけると有り難いです(笑) (2020年6月27日 22時) (
レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - 楽しかった〜(^^)私はキャリーさんが書きたい小説を書いていいと思います。また、楽しいお話待ってます。新作早速覗きに行ってきます (2020年6月26日 20時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2020年6月7日 14時
