欲張り。 ページ3
どれも俺の知らない本ばかりで、
何冊か著者の名前は聞いたことあるような本はあった。
「ジヨン、紅茶入ったけど。」
「…ああ。」
本棚に埋まる本を見るのに夢中な俺に、Aが声をかけた。
Aに導かれて、二人がけのソファ、Aの隣に腰を下ろした。
「月に何冊読むの？」
「15から20冊くらい？
学生の時は１日１冊読んでたけど、だいぶ減ったよ。」
「Aって、マジでイ・ソラなんだな。」
「なによ、今更(笑)」
そう言って笑うAは、俺が知るAだった。
「やっと４作目も書き始めたの。」
Aは穏やかな顔でそう言った。
「そうなの？」
「うん。こないだね、リュウセイに会ってきた。」
「…え？」
その名前につい反応してしまった。
…なんで？
それでまた書き始めたの？なんで？
俺が今日、ここに呼ばれたのはなんで？
俺にとって最悪のシミュレーションが頭に浮かんだ。
それは彼に会って、昔を思い出して、ヨリを戻したんじゃないかって。
「ちゃんと話してきたの。
だから、また書こうって決めたの。」
「…そっか。」
この部屋に来るまでの緊張感は、今ここで、
不安に変わって、Aを失う怖さになった。
失うなんて、おかしいよな。
目の前のAが、俺のものだったことなんてないのに。
「…ジヨン？」
「ん？」
「なんか気分悪そう。
仕事終わりに呼んでまずかった？」
心配そうに俺の顔を覗き込むA。
「…ううん、大丈夫。
で、なんで今日はAから連絡くれたの？」
なんかもう耐えられなくて、
早く核心に触れたくて聞いた。
もうどうにでもなれ、そんな気持ち。
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carly(プロフ) - さあとさん» 最後までお読みいただき、ありがとうございます！楽しんでいただけて、嬉しいです。新作の方も温かい目で読んでいただけると有り難いです(笑) (2020年6月27日 22時) (
レス) id: 7bb2fdde44 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - 楽しかった〜(^^)私はキャリーさんが書きたい小説を書いていいと思います。また、楽しいお話待ってます。新作早速覗きに行ってきます (2020年6月26日 20時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：carly
| 作成日時：2020年6月7日 14時
