No.143 後悔先に立たず ページ7
(……ふざけるなよ。誰がアイツがヴィランに向いてると思ったんだ)
ヴィランが選んだ人選は強ち間違いではない。確かに生徒で一番危なかったのは爆豪だ。
──しかし彼の「信念」は、そう簡単には曲がらない。爆豪もまたオ一ルマイトに憧れ、影響を大きく受けた内の一人なのだから。
ヒーローという名の“執念”は、“憧れ”は、絶対に消えない。
と、少し昂っている自分に驚いた。どうしようもなく、前の彼の台詞が蘇る。
『おやおや、貴方も随分と平和ボケしましたねえ』
(はあ……お前のいうことはやっぱり当たってるよ、恐ろしい)
ため息をつきながらも病院内に入り、受付の人間にある人物の病室の番号を尋ねる。
それを教えてもらい、目的地へと足を伸ばす。
病室の扉の前に立ち、ノックしようとしたAの手は、聞こえてくる沈痛な声によって静止した。
「──ンなもん分かってるよ！ でもさ、何もできなかったんだ。ダチが狙われてるって聞いてさ、何も出来なかった！ しなかった！ ここで動かなきゃ俺は、ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ！」
切島のような大きな声色が聞こえる。緊迫した雰囲気がドアの隙間から入り込んでくる。Aは一瞬呼吸が止まり、少し後ずさる。
悲痛な叫びを聞きながら、Aは何もせずに立ち尽くす。途中で買った花を無意識の内に握りしめていた。
確か切島は補修組の中に入っており、実際に危害を加えられることはなかっただろう。
その為、動きたくても動けなかった自分を責めているのだ。彼は特に友達思いだから、余計に罪悪感を感じている。
あともう少し早ければ助けられた爆豪。まだ生きているという保証はない。既に殺されていることすらも否めない。
Aにも切島の気持ちは分かる。己の弱さが無情にも突きつけられる現状。あの時ああすれば良かったのだろうかと、後悔先に立たずだが思ってしまう。
──だが、今回は希望はある。
爆豪は確実に「死ぬ」ために敵に攫われていったのではない。彼は生きる意志を持っており、自分の立場や状況を弁えているとAは思う。自らが不利な状況で無謀な策には出ないし、ヒーロー達も着々と動き始めている。
ヒーローはこれ以上子供を脅威に晒し、殺されるという地獄絵図を描くわけにはいかないのだ。確実に最高戦力ばかりを集結させてくる。
本来なら、切島や轟などの「ヒーローの卵」が動く必要はない。
──その最高戦力に勝るような敵が出てくれば別なのだが。
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スノウ(プロフ) - このシリーズ大好きです!!!!!続き待ってます!! (9月20日 21時) (
レス) id: d0ec094424 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すごく面白くて好きです！続きが楽しみすぎて頭が破裂しそうです！これからも無理せず更新頑張って下さい！応援してます！ (9月4日 22時) (レス) @page11 id: 99cadfaa21 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - キーパーソン(key person)がキーバーソンになってます (7月3日 1時) (レス) @page10 id: 0909fd7c4f (このIDを非表示/違反報告)
猫 - みんなが金子さん？！って言ってるのかわよす (7月2日 22時) (レス) @page10 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
( ･´ｰ･｀)どやｗ(プロフ) - 続編おめでとうございます！もう最初から見てるんで涙がほろりと出てきそうです(笑)反応が遅れてしまったことが兎に角悔しいです…。まだ此の作品が見れるのだと思うとワクワクです。ワクワクさん(笑)と、ところで瑞樹さん……金子ちゃんグッズはまだですか？！← (6月4日 10時) (レス) id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2023年6月3日 21時
