BALLISTIKな狼ガール。 5 (ページ10)

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バレンタイン〜Ryuta〜ページ10

彼の部屋の前で深呼吸をする
大丈夫。大先輩を目の前にしても平気だったんだ…

扉をコンコン、と叩くと返事が返ってきた

「…竜太くん」

竜「あ、A」

用意したものを見られないように背中に隠しつつ、竜太くんのお部屋に入る

竜「…なんか隠してるでしょ」

「そ、そんな事ないわ！」

…バレてる…
促されて、椅子に座った所で気が付いた
この部屋、椅子一脚しか無い…

「竜太くん、私床座る！」

竜「いいよ俺床座るから」

「勝手に押しかけたの私やもん」

申し訳ない気持ちで竜太くんを見る

竜「…じゃベッドでいいなら２人で座ろ？」

と、言うわけでベッドの縁に腰掛ける

「はい、これバレンタイン」

小さい袋を手渡す
中身はマカロン

竜「ありがと…貰えないと思ってたわ」

「え、なんでや。勿論あげるに決まっとるやろ」

彼氏なんやし、という言葉は恥ずかしくて飲み込んだ

竜「今食ってもいい？」

「どーぞ」

チョコマカロンをぽい、と口に運ぶ竜太くん
もぐもぐと咀嚼して、ゆっくりと飲み込む
細い首が嚥下するのが見えた

竜「…うま！」

二カリと笑う彼

…バレンタインにあげるマカロンの意味知らないんやろな…

＿あなたは特別な存在＿