【参加企画設定集】馬鹿と碌でなし。(2)

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〜備考・続き〜

結果的に、カーラが5つ目のリボンを獲得する事はなかった。件の、お嬢様育ちの少女に負けたのだ。
少女は大会の後、打ちひしがれるカーラにこう言った。「付け焼き刃のキャラクターで高みに上がれるなどと思わないで下さるかしら。あなたがしている振る舞いはお嬢様などではない、ただのごっこ遊びです」

カーラはその発言で、プライドをズタボロに傷つけられた。しかし、反論は出来なかった。何故なら、心底正論だと思ったから。認めたくはなかったが、作り物のキャラクターに何時か綻びが生まれる事を恐れていたのもまた事実。故に、カーラは彼女の言葉を否定出来なかった。
必死に努力をして、今の人気を手に入れたのに。美しい姿勢をキープする特訓や、常に上品な言葉遣いをする特訓の他、栄養バランスが整った食事メニューを自分で考え、野菜中心の食生活も長い間続けてきた。彼女の「ごっこ遊び」という言葉でその努力を全て否定された様な気がして、カーラはとても悔しかった。

その数日後の事。町を歩いていると、カーラは突然ポケモンバトルを挑まれた。前の大会でカーラに負けたコーディネーターの熱狂的ファンが、カーラの事を逆恨みしたのだ。
何時もコンテストばかりで、バトルなどまともにした事が殆どなかったカーラは、相手にかなり追い詰められた。しかし、フィールドに出ていたコア(カブルモ)が、相手のチョボマキに掴み掛かった時、何と両者が同時に進化した。コアはシュバルゴとなり、相手の手持ちポケモン3匹を全て一匹だけで倒してしまった。
カーラを逆恨みした熱狂的ファンは、「お前みたいなありふれたコーディネーターなんて、そのうち誰も応援しなくなる」と言い残して逃げていった。
その言葉は、先日少女から受けた言葉で精神的に参っていたカーラを追い詰めるには充分だった。

シュバルゴになったコアと共に帰宅したカーラは、玄関の扉を閉めた瞬間、その場に崩れ落ちて泣きじゃくった。

その後、コーディネーターとしての活動に限界を感じたカーラは、荷物を纏めてアローラの実家に戻った。

何時も明るく笑っていたカーラが、沈痛な面持ちで帰省したのを心配した母は、イベント好きなカーラに気分転換をして欲しくて、島巡りを提案した。

最初は無気力で、『せっかく母が提案してくれたんだし、とりあえずやってみよう』というテンションで始めた。しかし、このすぐ後に、カーラは島巡りにのめり込む事になる。

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