しまった ページ6
そんな私の思考は、男子生徒の怒鳴り声で消し飛ばされた。
「な、なんだよお前は！関係ない部外者は入ってくんな！年下風情が！」
「年下だったら抗議しちゃいけないのかよ！！」
二人とも、すごい剣幕で睨み合っていた。
『や、やめてよ二人とも……そろそろ私、帰らなきゃだから！』
二人を引き剥がし、ずりずりと相川くんを引っ張って帰った。
「……ごめんなさい、かっこ悪いところ見せちゃって…」
私がよく使ってる近道である裏通りに差し掛かったところで、急に謝ってきた相川くん。
『そんなことないよ。相川くんって意外と度胸あるんだね』
「…い、意外とってなんですか！」
『ごめんごめん』
さっきの威勢はどこへ行ったのか、いつものふわふわした相川くんに戻ったようだ。
ほんとに意外だった。
助けてくれて……うれしかった。
私は立ち止まる。
「……先輩？」
『う…ぅぅ……』
「え、ええ？！」
急に泣き出した私をみて、混乱しだした。
「ど、どうしたんですか？！どこか痛いんですか？泣かないでくださいよ！！」
ワタワタと私の周りを駆け回って声をかける。
それを見て、私は言った。
『……ッ違うの…相川くんが……来てくれ…て……つい……うれしくって…っ……わあぁぁ！』
思わず相川くんに抱きついた。
「は、はぅ…！ちょ…っと…」
相川くんの胸の辺りから、すごく速い鼓動が聞こえる。
顔が真っ赤になっている相川くんは、私を抱き返そうとしなかった。
…気を遣ってくれてるのかな。
ほんとは、思いっきり抱きつきたい癖に。
気がつけば、びしょ濡れの相川くんの肩。
『ごめんね…濡れちゃった』
「いや…いいんですよ……全然」
ふと、彼方の病院の方を向いた。
すると…。
『あ……………』
窓を覗いている彼方と目があった。
『ちょ……』
彼方は眉をピクピクさせてカーテンを閉めた。
……終わった。
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さいき(プロフ) - もうぼろ泣きしました…最高です！！ (2023年2月13日 1時) (
レス) @page25 id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - 塩キャラメルさん» わわ、ありがとうございます土下座土下座土下座((( (2021年2月13日 16時) (レス) id: cba240e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - どうしてくれるんですか！鼻水がさっきからジュルジュルなんですけど？(褒めてます) (2021年2月9日 1時) (レス) id: 3eee796701 (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - 応援ありがとうございます！ (2020年10月8日 17時) (レス) id: cba240e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
しのんのん - 初コメ失礼します！この作品すごい好きです！陰ながら応援してます(*^^*)これからも頑張って下さい！ (2020年10月8日 13時) (レス) id: abcef9b1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねねこ | 作成日時：2020年10月4日 0時
