そろそろいいかな ページ19
『ねえまふ』
「んー」
ゲームをしながら返事を返すまふから、ゲーム機を取り上げた。
「あっ、ちょっと！もうすぐでランクがにひゃ……」
『あーはいはい、わかったわかった』
まふは取り返そうとするから、ゲーム機を持つ方の手を天井に近づけた。
むすっと睨んでくるまふ。
かわいいすぎるしんどい。
『ほ、本題に入るけど、私たちさ、付き合い始めてもうすぐ四年だよ。はやいよね』
「…………そ、そうだね」
『なんか、あっという間というか、ほら、懐かしいこともいっぱいあるじゃん？』
「…………うん」
何故か焦ったような雰囲気になったまふが、いきなり立ち上がった。
『……ん？』
頭をぼりぼり掻いて、唸っている。
「…………っ〜〜！」
『？？』
その間、私ははてなを浮かべていた。
そしてしばらく経った。
「すーっはぁ…………。A…一瞬でいいからさ、聞いて欲しいんだ」
『ん？うん、いいよ？』
なんか、今日のまふは挙動不審だな。
なんて思いつつも、大人しく聞いていた。
「ぼくね、ずっと前から…………変わらないんだけどさ、Aが…………だいす……きでさ、」
『え、う、うん』
いきなりな告白にどくんと心臓が鳴った。
まふは、それに追い討ちをかける。
「もちろん…これからも、ずっと変わらないよ」
『あ、わかっ…たから…………も、もういい？』
「まって」
その場を耐えかねて、離れようとする私の手をつかんで、指に何かはめられた。
『え、こ、これ……』
はめられたものが何かわかると同時に、まふが言った。
「だから、僕と…………結婚してください…！」
ポロポロ涙が溢れた。
付き合って最初の頃は、もちろん好きだったけど、こんな内気な彼氏と長くやっていけるかな…なんて思っていたのを覚えている。
でも、まふは私を…………。
『……まふぅっ』
ギュッと抱きついて泣きじゃくった。
でも、まふは抱き返してくれない。
しばらく泣いて、泣きじゃくって、落ち着いた頃。
私は言った。
『もちろん……喜んで』
ちゃんとまふの目を見て。
パッと明るくなったまふの表情。
そして、優しく力強く抱きしめてくれた。
『これからもよろしくね。まふ』
END…………
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作者名：ねねこ | 作成日時：2020年9月21日 2時
