ずっと、君の隣にいるよ

Trick or…? ページ30

ウォズside
私達が選んだ衣装に身を包んだA。
彼女はあまりにも美しかった。
事実、彼女をエスコートする手がずっと震えていて、言葉を紡ぐのも難しい。

「さあ、着いたよ」

そうこうしている間に、クジゴジ堂に着いてしまった。

「A、トリック・オア・トリート！」

フランケンの仮装をした我が魔王が、私達を出迎えた。

「ソウゴ、お菓子はちょっと待って」
「A、その衣装、ウォズ達が選んだんでしょ？」

ツクヨミ君が、魔女らしい帽子を直しつつAに問うた。

「まぁ、何だ……その、似合っている」

ゲイツ君はどうやら、このAが気に入ったようだ。
狼男の仮装は、気に入らないようだけど。


そして、持ち寄った甘味の交換会が始まる。
我が魔王達は、3人で手作りしたというクッキー。
私と白ウォズはマカロン。
Aは……

「じゃあ、この中から好きなの選んで！」

手のひらに収まるサイズの小箱が人数分。
中は開けてのお楽しみ、か。

「おっ、フルーツタルトだ！」
「私のはマドレーヌ！」
「…ブラウニーか。悪くない」
「ふむ、梨のパウンドケーキか」

さて、私のは……

「アップルパイ…！」

横で、Aは嬉しそうに笑っていた。

「私のはベリータルト。じゃあ、食べよっか！」

ハロウィン、というより、スイーツパーティーになっているような気がするが、Aも我が魔王も喜んでいるようだし……良いとするか。

その後、パーティーは無事終了して、あとはAを送り届けるだけだ。

「…A」
「ん？」
「私のこの格好なんだが……どうだったかな」

彼女の部屋で、意を決して聞いてみた。

「……格好良すぎて、何も言えないよ。私、語彙力無いもん」

…可愛いにも、程がある。

「……こっちのウォズも、大好き」
「…A、君のせいだよ」
「え、何＿＿」

＿＿＿＿＿。

「……ん…んっ……ふぅ……ぁん…」
「…んっ……ちゅ、くちゅ……」

気づけば、Aの華奢な身体を抱き締め、深く深く口づけていた。
白ウォズの目も構わず。
それでも足りず、私の身体ごと、Aをストールで絡め取った。
Aは、私の胸元にすり寄って来て、離れなかった。

「…私達の理性を壊したのは、君だよ？」

抱き合ったまま、寝台に倒れ込んだ＿＿。

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