よかった ページ24
ウォズside
「どうやら、寝たみたいだ」
Aの頬をふにふにと突付いて、白ウォズに話を振る。
「そう、だね」
どこか、反応がぎこちない。
いつもの役者じみた白ウォズは、一体どこへ消え去ったのだろう。
「親友、か……」
「不満かな?」
「いや、そうでは無いよ。ただ……率直に、嬉しい。それだけだ」
そう言う白ウォズがいつもと別人に見えるのは、私だけか?
「まぁ、良かったじゃないか。私も君も、Aに愛されている」
「方向性が真逆だと思うが?」
真逆……?
やはり、いつもの白ウォズとは全く違う様だ。
「それは違うよ。どちらも、私とA、白ウォズとAが『一緒にいる』事には変わりない」
「あぁ……そう、そうだ。私は…Aの隣にいても……良いん、だね」
またぎこちなく答えた白ウォズが、今度はその瞳から涙を零した。
「…ん……白ウォズ…? 泣いてるの……?」
Aが起きて、─まだ寝ぼけ眼ではあるが─不安気な顔で白ウォズを覗き込む。
「え……あ、これは、違うよ…」
「違わないでしょ、泣いてるもん」
「私は……っ、泣いてなど……」
「白ウォズ。もう無理して強がらないで。今は泣きたいだけ泣いて、明日また、一緒に笑えば良いんだよ」
この言葉、聞き覚えがあった。
確かあの日、私がAに言った言葉__。
「A……覚えていてくれたんだね」
「ウォズの言葉が、ここまで私を支えてくれたから」
その笑顔は、今までに見たどの笑顔より、慈愛に溢れていた。
聖母の微笑みとはきっと、この笑顔の事なんだろう。
「……参ったな。私まで……」
「ちょ、ウォズまで泣かなくて良いのに……もう、二人とも可愛いなぁ」
Aの小さな手は、私と白ウォズの頭をそっと撫でてくれた。
そう、私達が涙を忘れ、暖かな夢の世界に誘われるその時まで__。
そして、翌朝。
「二人とも、おはよう。良く寝れた?」
いつも通りの朝が来て、その安堵から、外の肌寒さを思い出して、何と言う事か、二人同時にくしゃみをした。
今度は、3人同時に笑い出す。
くしゃみのタイミングが偶然合っただけなのに、可笑しくて堪らなくて。
あぁ、笑えて、よかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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がぶ(プロフ) - 楽しみにしています!(*'▽'*) (2020年1月22日 6時) (レス) id: d64dad27b2 (このIDを非表示/違反報告)
文ーあやー(プロフ) - がぶさん» 了解しました! そろそろ続編に移行するので、そちらの方に出させて頂きます! (2020年1月22日 0時) (レス) id: 399d93520c (このIDを非表示/違反報告)
がぶ(プロフ) - ウォズと2人で出かけているとき、敵出現。で、少しピンチになり気味のウォズを庇おうとして夢主怪我。(擦り傷程度で)無茶をする夢主にウォズが説教して、少し言い合いになる。と言うのはどうでしょうか?注文多くてすみません。。。 (2020年1月21日 20時) (レス) id: d64dad27b2 (このIDを非表示/違反報告)
文ーあやー(プロフ) - がぶさん» 了解です! 遂にこのお話を書く時が…それで、お二人の喧嘩の原因って、一体どんな物なんでしょう……? (2020年1月20日 23時) (レス) id: 399d93520c (このIDを非表示/違反報告)
がぶ(プロフ) - はじめまして、がぶです!いつも作品読ませていただいてます!リクエストしたいんですが、、、。夢主ちゃんとウォズが少し喧嘩しちゃう感じの話が読みたいです! (2020年1月20日 10時) (レス) id: d64dad27b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文ーあやー | 作者ホームページ:http://fWi391Zg.com
作成日時:2019年8月11日 17時