朱色の墓に入った君へ【募集企画】

＊はじまり ページ2

悪いことをした人間は、死んだら陥楽街へと落ちる…そんな迷信があったそうな

陥楽街というのは妖怪たちが住むといわれる街のことで、その街へ落ちた人間はたちまち解体され、
妖怪たちの餌食になってしまうという…




……








迷信って面白いですねぇ
落ちてきた人間を解体して食べる？いやいや生ぬるい！
この街の妖怪はそんなに甘くないですよぉ！

陥楽街へ落ちてくる罪を犯した人間…
生きる邪心と書いて生邪(せいじゃ)と呼ばれる奴らはこの街の治安を守る特別陥落警察(とくべつかんらくけいさつ)…通称特陥(とっかん)の下、労働人として売られるんですよぅ

えっ…じんしんばいばい…？何を言われるんですか！
彼ら、罪人ですから！当然の報いですよぉ！



…ん？なんで治安を守る組織が人を売るのかってことでしたか、あぁそりゃ失礼。
それはですね、陥楽街にかかわるトラブル…ここの住民が人間さんの住む世界の方で悪さをしている、だとかそういったこちらにかかわる外のトラブルを生邪たちの手によって解決してもらうんですよぅ


様々な文明を創り、触れてきた人間さんの方が僕ら妖怪よりもずっと器用で賢いですからねぇ…
皮肉なことですが、生邪ももとは人ですから…

あぁ…でも、いつ再犯を起こすかわかりませんからねぇ
買収者…契約者となった妖怪が常に傍にいて見張ってるんですよぅ




え？特陥が見張ればいいじゃないかって？
…特陥もそんなに楽じゃないんですよぅ
それに特陥が守るのはあくまで陥楽街の中ですからねぇ。仕事の分野が違うんですよぅ


人間の世話なんてしていたら、ロクに仕事もできやしない…







ところであんたは人間ですよねぇ？
こんなところで何してるんですかい？




…生邪の方ですよねぇ、その血なまぐさい臭い。
隠しても無駄ですよぅ



……大人しく着いてきてください
少し手続きをしたあと、陥楽市場へ向かいましょう…
あんたを見込んでくれる奴がいるといいですねぇ

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