【ワールドトリガー】消えそうな君の、その感情を【影浦雅人】 (ページ6)

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5☆忘却ページ6

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月読を中心に会話は盛り上がり、刻々と時間が過ぎていった。

そんな中、食堂にある人物が足を踏み入れる。その人をいち早く目視した三輪は、月読の時とは比べ物にならない程敵意を剥き出しにする。

「……東さん、俺、先に戻ってます」

「お？……そうか」

「ん？またいきなりどうしたの三輪君……あ」

乱雑に食器を片付け、すれ違い様にその人物を睨み付ける三輪を目で追った月読。必然的に、三輪が敵視しているその人物を視界に入れることとなった。

だが月読は、三輪とは対照的に明るい声をあげる。

「迅さん！」

「迅!?」

「どうも皆さんお揃いで。実力派エリート参上でーす」

いつも通りぼんち揚げを片手に現れたのは、自称実力派エリートの迅。

好意的な反応を返したのは、立場上迅と行動することが比較的多い月読と、好敵手である太刀川。

「いやー、相変わらず彼には嫌われてるなー。お、A、ぼんち揚げ食う？」

「食べます！」

「どうした迅！今日もやるか？ブース行くか？」

「いや、ごめんね太刀川さん。今日はパスかな。
今ちょっとした問題が起きててね。Aのせいで」

「えっ、私のせい!?」

迅の予想外の発言に、ぼんち揚げを食べる月読の手が止まる。そんな月読に向き直った迅は、飄々とした態度を崩さないまま、端的に用件を伝える。

「Aさー、八時から会議あるって言ったよね？」

「えっ……」

時計に全員の視線が集まる。

針は、八時半を指していた。

「……忘れてたあああ！！」

「Aの事だから遅刻するだろうと思ってたけど、流石に三十分経ったから城戸さんが連れてこいって」

「それ私居なきゃいけないやつ……？」

「うん。むしろAメイン」

「どうにかやり過ご……」

「ダーメ。はい連行ー」

「嫌だあああ！！」

必死に抵抗する月読をあっさりと引きずり共に退場する迅。出水以外は日常茶飯事と言わんばかりに食事を続ける。

「あれが噂に聞く……」

「そ。月読の死刑宣告」

「今回は起きてるからまだ良い方だ。この前は寝てる隙に城戸さんの目の前連れてかれたからな」

「あー、あったなそんなこと」

「何それ怖い」