【ワールドトリガー】消えそうな君の、その感情を【影浦雅人】 (ページ42)

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38☆お昼ページ42

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四時間の授業を終えた月読は、屍と化していた。

「……」

「……こちら穂刈、12時40分、確認したぞ、月読の死体を」

「こちら当真、同じく死体を確認～」

「授業分からない病だと思われる、死因は」

「おい、Aを勝手に殺すな」

「死んでないよ……」

月読のクラスに集まった男子メンバーは、そんな月読を見てどこぞのサスペンスドラマごっこを始める。倒置法の刑事とはこれいかに。

「てーてーてーー」

「てーてーてーーん」

「BGM流すな」

「何あれほんと何あれ。文字式まではなんとか記憶あるけどい、いんすうぶんかい？」

「ダメだこりゃ」

「……文字式？」

「当真君！！？？」

「いや、んな慌てんなって。冗談冗談」

「冗談に聞こえないな、当真だと」

「酷くね？」

「あとあの文字化けなに？」

「文字化け？」

「漢文だっつったろ」

「えー、文字化けだよあれ」

「……Aちゃん結構ヤバイね」

「……中二のはじめから行ってなかったからね」

「ん？てことは学力中一レベル？」

「……うん」

「マジか」

「……うん！もうそんなのどうでもいいよ！
お昼食べよお昼！！」

「そうだね～。ゾエさんお腹すいちゃった」

「A、一応言っとくが、給食ねえからな？」

「えっ」

「……だろうと思ったよ……」

「高校はお弁当だよ～」

「……えっ、じゃあ私お昼なし？」

「穂刈！！」

「任せろ」

影浦の声が早いか穂刈の動き出しが早いか。それすらも分からないほどの見事な連携で穂刈が教室を飛び出した。数分後に戻ってきた穂刈の手には、いくつかのパンと焼そば。

「勝ってきた、購買戦争に」

「流石俺達の筋肉担当だぜ」

「チョコ！！チョコある！？」

「あるぞ、チョコがけドーナツが」

「チョコー！」

「A、一応聞くが朝は何食った？」

「菓子パン」

「何個食った」

「……半分」

「穂刈、あれよこせ、あの焼そばに唐揚げ入ったやつ」

「あるぞ」

「待って雅人！私が朝食べれないの知ってるでしょ！？大げさ！」

「「「菓子パン半分はない」」」

「この男子高校生共め！」

「女の子は食べれない子は本当に食べないよ～」

「国近ちゃん～」

「でも柚宇は食べる方よね」

「うん」

「裏切り者！」

国近、人見が合流。助け船と思いきやとんでもない裏切りを食らうこととなったのだった。