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許し ページ23

バッキー「 なんでAが謝ってるんだよ … 」


悲しげな声でため息混じりにそう言うと 、バッキーは 片手で いつものように背中を優しく撫でる 。


本当は一緒にいたいのに 、ズキズキと痛む胸は変わらない 。 もういっそのこと すきだと伝えてしまおうか 、 そう思っては喉まで出かかって飲み込む 。

バッキーは 、今のあたしをどう思ってるのだろう 。


A「 無意識に傷付けちゃったから 、 」


バッキー「 Aになら平気だ 」


どきり 、とAの胸が跳ねた 。
好きでもないのにそんな事を言うなんて 、バッキーは本当にずるい人だ 。


A「 これからは 、普通にいつも通りに接する 」


抱きしめ合ったまま バッキーの耳元で囁かれたその言葉は 、どこか儚さを含んでいた 。

抱き合っていた体を離し 、目が合うと悲しげに眉を下げて微笑むバッキーがAの頬に手を添えた 。


バッキー「 何で避けてたのか 、教えてくれないのか ? 」


A「 … あたしの問題なの 」


バッキー「 一緒に悩んでやることくらいは出来る 」


目を合わせたら 、泣いてしまいそうで必死に下を向くAをバッキーは心配そうな表情で覗き込むように見る 。


そういう行動も 、結局は あたしを妹のようにしか思っていないからなんだろうな と思うのと同時に頬に涙が伝う 。


自分にとっては胸が高鳴って嬉しくて 、好きで好きで仕方ない気持ちになることも 、 バッキーにとっては ただ何気なく家族にするようなスキンシップなんだとAは思った 。


ずっと下を向いていたAは何かを決心したように顔を上げてバッキーを見た 。
Aの頬を伝う涙も 、潤んだ瞳も バッキーには全てが美しく見えた 。

そんなAの姿に見惚れていると 、 Aは頬に触れていたバッキーの手を優しく払って一歩離れた 。

バッキーは自分の存在を拒まれた気がして胸が痛む 。


A「 バッキーを頼らなくてもいいくらい 、一人前の女の子になったら あたしのことをちゃんと見てくれる ? 」



叶わないことは理解してるけど 、この苦しく胸を締め付ける恋心を ほんの少しだけ彼の前で言葉にする事を許して欲しい 、とAは願った 。

遅い決心→←無意識



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岡P(プロフ) - 初めて読ませて頂きました。切なさと、愛おしいさが合間って、胸がキュンとした素敵なお話しでした。更新、新作楽しみにしています。頑張って下さい。 (2019年10月4日 2時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m o k a | 作成日時:2019年8月31日 22時

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