彼の修理屋さん (ページ14)

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ハグページ14

A「ううん、もうずっと追いかけてるから彼のことはなんとなく分かるの。」

バッキーの優しい声にえへへ、と困り顔で笑う。Aの目には薄っすら涙が見えた。バッキーの胸がずきりと痛む。

バッキー「 Aは幸せになれる」

俯くAの頭を撫でながらバッキーが強く断言した。

バッキーに幸せにして欲しいのに、と喉まで出かかった言葉。慌てて口を噤むと涙が頬を伝う。

このまま一緒にいることが幸せだと思っていたのに、心はどんどん欲張りになっていく。そんな自分にAは嫌気がさしていた。

A「 … っ」

Aが辛い思いをしてるのは、バッキーにとって心苦しかった。 Aの頬を伝う涙を拭う度にぽろぽろと大粒の涙が流れてくる。

バッキー「 Aの辛い事、俺も一緒に背負うよ」

だから泣くなとまで言いたかったが、次から次へと溢れる涙を見てバッキーは言うのをやめた。

A「バッキー … ハグしてもいい？」

どうしてもバッキーに触れたくなってしまったAは、この状況に甘えることにした。ずるい方法かもしれないけど、妹としてなら触れられると思ったのだ。

バッキー「おいで」

眉間にシワを寄せたまま、ぎこちなく笑って腕を広げるバッキーの胸に飛び込んだ。

バッキーは優しくAを包み込んで抱きしめながらこのまま離したくないと思っている自分を信じられないでいた。