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伊沢の骨ばった指は、山本の親指から順に確認していった四番目、要するに薬指を優しく撫でた。
その間、視線は山本の目に向き続けている。


「指輪だったらあげてもいいかな」
「……!?」
「もらってくれる?」
「く、すりゆび…て、その…」
「一生外さなくていいよ多分」

クサいセリフを吐き続ける伊沢に山本は耐えきれなくなってがばっと起き上がった。

「い、いいいざわさんの独断で決められるのは納得いかないですっ…」
「え、だめなの?」

間髪入れずに返した伊沢に、ぐ、と言い返せなくなる山本。
悔しそうに伊沢の顔を見つめた後、また布団にもぐりこんだ。

「…それなら、伊沢さんもお揃いにしてもらいますよ」
「もちろん」

伊沢はぎゅう、と山本を抱きしめた。

「今、フツーにプロポーズだったな」
「…そう、だね」

山本は伊沢の鼓動が普段よりも早いのに気づいて嬉しくなった。
と、言う事は自分も同じであることもバレているということだが。

「さて…流石にもう寝るか」

伊沢は目をぎゅっと瞑って伸びをしてから、少し山本から離れた。
以前素肌が触れ合っている状態が恥ずかしいと山本が言ったことがあるからだ。
だが今回の山本は一度離れた伊沢に体を近づけた。
無意識なのかはたまた恥ずかしいのか、山本は何も言わない。
伊沢から見て耳が多少赤いのでおそらくは後者であろう。

「お前可愛いな、マジで」

伊沢が再三思っていることを耳元(体勢的に不可抗力である)で口にすると、山本はぶるぶると首を横に振った。

「…き、今日の伊沢さんは、かっこよすぎ…」

山本は一瞬だけ伊沢の方を見て、またすぐにうつむく。

「っ…たくもう…」

伊沢は山本の後頭部をわしゃわしゃと撫で、改めて抱きしめた。

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設定タグ:ノックイズ , QK , BL   
作品ジャンル:恋愛
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Azusa(プロフ) - morさん» そうですね!私も創作意欲を失った訳では全く無いので少し落ち着いたら長編とかも書いてみようと思ってます(^-^)最後まで読んでくださりありがとうございました! (2021年1月13日 2時) (レス) id: 1e11c41067 (このIDを非表示/違反報告)
mor - 更新お疲れ様でした!再開される時まで待ってます!その時はizym長編とか最後のizymの続きとか読みたいです! (2021年1月1日 20時) (レス) id: 06bc4acfa5 (このIDを非表示/違反報告)
Azusa(プロフ) - 緋歌梨さん» 本当ですね…治しておきました。わざわざ教えていただいてありがとうございます…!! (2020年11月29日 21時) (レス) id: 1e11c41067 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - 19ページの9行目みんなには言ったのかじゃないですか? (2020年11月29日 20時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
Azusa(プロフ) - ゆゆーさん» 可愛いシチュのお陰です笑 リクエストありがとうございました! (2020年11月14日 17時) (レス) id: 1e11c41067 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Azusa | 作成日時:2020年9月13日 21時

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