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手元の封筒から紙を引き抜く。
明日読めとは言われたものの、そんなに聞き分けのいい男ではない。
『福良へ』
そんな風にベタな始まり方をしている。
そこには、誕生日のお祝いと、ネックレスについてと、
いつも素直になれなくてごめん、という内容のことが書かれていた。
最後は
『普段言えないけど、僕は福良のことが大好きです。これからも、どうか一緒に。 拓哉』
そんな文章で締めくくられている。
あー…やばい。
俺ってこんなに涙腺緩かったっけ。
「ふーくーらー！明日読めって言っただろ!」
「っ…え、あれ？いつの間に！」
いきなり聞こえた声に顔をあげると、真っ赤な顔で壁に寄りかかって立っている河村の姿があった。
「ずっとだよ！そんなに長く飲みもん取りに行くかっつの」
「あぁ…そっか、ごめんなんかこっちに集中してた」
「だから読むなって言ってんのに」
照れ臭そうに鼻筋を掻く河村。
立ち上がって彼をもう一度抱きしめに行く。
「…ありがとう」
「…どういたしまして」
「ねぇ、正直言っていい？」
「何もらうよりも、手紙の方が嬉しいよ、俺」
「おい、僕のペンダントは」
「それもめちゃくちゃ嬉しいけど。手紙とかはもっと嬉しい」
それだけ伝えると、河村が背中に腕を回してくる。
「ホントは、ペンダントもケーキも手紙ももっとかっこよく渡したかったんだけどね」
「いいよ、河村はそういう抜けてるとこが可愛いの」
「悪口か？」
「褒めてるよ笑」
そう言っても、河村は不服そうに首をかしげる。
そんな仕草ですらかわいいと思ってしまうのだから俺は重症だ。
「…ふくら？」
「んー？」
何だか幸せな気分で満ちていて、完全に無防備な返事をした。
「す…好き、だよ」
「…は」
っ…あー、やばい。
河村はたまにこういうことをする。
狙ってるんじゃないかってほど俺が構えてないときにこういう爆弾だけ落としていく。
「なんかいえよ！あーもう恥ずい！」
俺を押し返そうとする河村を、腕に力を入れて引き留めた。
「俺も、大好きだよ。また何回でも誕生日祝ってね」
「っ…仕方ないなぁ」
河村の顔は真っ赤だ。
窓からの夕日に照らされているせいか、はたまた恥ずかしいのか、よくわかんないけど。
その薄い、綺麗な唇にキスを落とした。
『何回でも誕生日を祝って』
その意味が伝わっていることを願いながら。
fin.
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Azusa(プロフ) - 未夢さん» あっ…それいいですね( *´艸｀)書かせていただきます！リクエストありがとうございます！ (2020年7月25日 6時) (
レス) id: b3528607b0 (このIDを非表示/違反報告)
未夢(プロフ) - 初コメ失礼します。Azusaさんの作品好きでひっそりファンしてましたwリクエスト兼ハピエン好きの個人的な要望なんですけど、『運命なんて』のafter storyのafter storyとしてこうちゃん×河村さんで、こうちゃんが河村さんを好きって設定でお話書いて貰えませんか？ (2020年7月25日 0時) (レス) id: 0eb283414f (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - Azusaさん» ありがとうございます！！楽しみに待ってます！！ (2020年7月24日 22時) (レス) id: 94c5d844e4 (このIDを非表示/違反報告)
Azusa(プロフ) - みらいさん» コメントありがとうございます♪裏の方でリクエストをいただいたkwkm×ymmtも鋭意製作中ですので、少しお待ちください(*‘∀‘) (2020年7月23日 21時) (レス) id: b3528607b0 (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - リクエスト書いて頂き、ありがとうございます！！izwさん×ymmtさん最高でした(*´ `*) (2020年7月21日 17時) (レス) id: 94c5d844e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Azusa
| 作成日時：2020年6月4日 18時
