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「いってー…」
やばい、久しぶりだ。こんなに派手に転んだの。
じんじんと痛むひじをさすりながら立ち上がると、走っている時には気づけなかった段差があった。
ん…おかしいな、なんだか両手が寂しい。
「あっ…ケーキ…」
周りを見渡して目に入るのは、完全にひっくり返った紙の箱。
あわてて取りに行くも、上部のフィルム部分からは無残な姿になったケーキが入っているばかりだった。
あー…もう、最悪。
まれにある、何をやってもうまくいかない日だ。
それにしてもこんな日に当たらなくたっていいじゃないか。
長ズボンだから見えないけど膝はじりじりと痛いし、肘からは血がにじんでいた。
しばし途方に暮れて、でも福良のところに行かない訳にはいかなくて、さっきまでのが嘘みたいにとぼとぼと歩き始めた。
僕ってどうしてこうなんだろうなぁ。
大事な時には何もうまくいかなくて。
人生の重要な場面でなんど苦汁を飲んだことか。
「…河村？」
「…ふくら」
不意に自分の名前が呼ばれ、顔をあげると、夕日に照らされた福良が目の前に立っていた。
「なんでいんの？」
「いや、ちょっとコンビニ行こうと思って…わ、怪我してるじゃん！早く帰ろ！」
僕の姿を見て福良は目を丸くしてから焦ったようにこちらに走り寄ってきた。
「ころんだの？」
膝に着いた砂とかを手のひらで落としてくれる。
そんな姿はさながらお母さんである。
「うわ、肘もすりむいてるし…行こ？」
福良は立ち上がって僕の手を取った。
「なに、どうしたのため息なんてついて」
「ん、なんかかっこわりぃなって」
「えぇ？そんなことないよ」
「いや、ダサすぎでしょ。会社でミスして帰ってきて、たまたま遭遇したらコケて傷だらけなんだよ？」
なんだか自分で言ってて悲しくなってくる。
福良は何も返してくれない。
「コンビニは？」
「…いいよ別に。傷手当てしなきゃ」
少し歩いて福良の住むマンションのロビーを抜けると、僕を先に玄関に入れてくれる。
「とりあえず河村は洗面所行って傷洗ってきて。で、リビングで待ってて。救急箱持ってくる」
傷を洗って戻ってくると、福良がほぼ同時に絆創膏と消毒液を持って入ってきた。
「ちょっとしみると思うけど我慢してね」
「それくらい大丈夫だわ、ばか」
「うわぁ、綺麗にすりむいてるなぁ」
痛そー…なんて言いながら割と雑に消毒液を垂らしてくる。
コイツ、容赦ない。
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Azusa(プロフ) - 未夢さん» あっ…それいいですね( *´艸｀)書かせていただきます！リクエストありがとうございます！ (2020年7月25日 6時) (
レス) id: b3528607b0 (このIDを非表示/違反報告)
未夢(プロフ) - 初コメ失礼します。Azusaさんの作品好きでひっそりファンしてましたwリクエスト兼ハピエン好きの個人的な要望なんですけど、『運命なんて』のafter storyのafter storyとしてこうちゃん×河村さんで、こうちゃんが河村さんを好きって設定でお話書いて貰えませんか？ (2020年7月25日 0時) (レス) id: 0eb283414f (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - Azusaさん» ありがとうございます！！楽しみに待ってます！！ (2020年7月24日 22時) (レス) id: 94c5d844e4 (このIDを非表示/違反報告)
Azusa(プロフ) - みらいさん» コメントありがとうございます♪裏の方でリクエストをいただいたkwkm×ymmtも鋭意製作中ですので、少しお待ちください(*‘∀‘) (2020年7月23日 21時) (レス) id: b3528607b0 (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - リクエスト書いて頂き、ありがとうございます！！izwさん×ymmtさん最高でした(*´ `*) (2020年7月21日 17時) (レス) id: 94c5d844e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Azusa
| 作成日時：2020年6月4日 18時
