その3 ページ13
Aside
「なんとも惨めで情けない話だ。」
そう言い眉毛を下げ、少し悲しそうにする杏寿郎とは裏腹に、私の体は茹で上がったのではないかと思う程熱くなっていた。
先程の言葉といい、今の言葉といい、まるで私の事が好きなのではないか?と痴がましくもそう勘違いしてしまうような言葉ばかりだ。
『情けなくないです...。
杏寿郎は優しくて、可愛くて、何事にも前向きで、いつも明るく元気で、皆んなに愛され、多くの人に尊敬されるほど、どこから見てもカッコいいんです!』
「うむ!Aもそうだろう!!
明るい!優しい!元気が良い!
だが、たまに元気が良すぎて無茶をする!!
『うっ』
そんな所がとても愛おしいと思う!!
君は惨めではない!Aはとても可愛いくて、柱の俺が胸を張って誇れる女性だ!!」
もう!ずるい!そんな事言われたら勘違いしてしまうじゃないか!!
「勘違いではない!!俺は君の事が好きだ!!
Aが良ければ今すぐ籍を入れたいぐらいだ!」
『えっ?///』
「だが!それは出来ない!!
竈門少年の妹が刀鍛冶の里での戦いで太陽を克服してから、鬼の出現が突然止まった!!
鬼が突然絶滅したとは考えにくい!!
近々大きな戦いが来ると考えている!!
その戦いが終わった時。もう一度、俺の気持ちを伝えさせてほしい。それまではAの気持ちに応える言葉できない!!すまない!!」
『それは...どちらかがその戦いで死ぬかも知れないからですか?』
「そうだ!恐らく、次に鬼が出現する時は鬼舞辻無惨も出てくるだろう!!そうなれば、生き残る保証は出来ない!!」
『では私が守ります!』
「ダメだ!!君は治療に専念しろ!!」
『治療?私はご覧の通り元気一杯です!治療の必要など、』
「人間に戻る為の治療だ。」
『まさか。』
「胡蝶と珠世さんのお陰で近々完成するそうだ!
Aはそちらの治療に専念するんだ!!」
『嫌です!そんなの無惨を倒した後にでも!』
「ダメだ!!無惨を討伐出来れば、他の鬼も同時に消滅できると考えている!!そうなればAは」
『そんな事どうだっていいです!!杏寿郎を失う事の方が!』
「よくない!君と同じ気持ちだ!!頼む。お願いだ。
俺も君を失いたくない。...頼む。」
『....。』
私はどうしても頷く事が出来なかった。
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Azukizansu(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございますヽ(´▽`)/完結出来るよう頑張ります!! (2021年2月2日 20時) (レス) id: 9ac09cc0ed (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - まさかの急展開に驚いています!!これからどうなっていくか楽しみです!これからも更新頑張って下さい! (2021年1月31日 23時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルビ丼 | 作成日時:2021年1月29日 0時