後日談 ページ6
後日、我々国は無事勝利を飾る。
浮かない毎日を送っていた彼に、グルッペンという男が謎の小包を渡した。
彼はその中身を見る。そこには____彼女がいつも着けていたネックレスが入っていた。
戦争に行く前、これは大切な物だから外していく、と彼女は言っていた。
中々部屋から出てこなくて、ネックレス一つに時間が掛かりすぎだと彼はずっと思っていた。
あれは、彼に渡すために態々彼女が梱包してくれていたのだ。
俺なんかの為に……。そう考える彼の胸の奥は、苦しくなる。
(なんでなんすか、なんで俺じゃなくて先輩がっ……)
そう思ってももう遅い。彼女が亡くなったのは紛れもない事実なのだから。
ふと、先程小包を渡された男に話掛けられる。
「気持ちの整理がついてないところ、申し訳ない。城下町の方へ巡回を頼めないか。」
あの一件で最近仕事を休み気味だった彼は、少しでも動かなけば。と思っていた。
「了解っす。あ、俺のことは気にしないで下さいね。」
あぁ……。と男は心配気味に返事をした。
それにしても、彼は城下町の方へ長らく行っていない。
最後に行ったのは、彼女の誕生日プレゼントを一緒に買いにいった時だ。
あのときは、街の人に色々言われたなぁ。なんて、彼がそんな思い出に浸りながら巡回をしていた。
すると、若い女性方に彼は話しかけられた。
「「ショッピ様!是非私達と……!!」」
そこから先の言葉を、彼は理解していた。
そこで彼は女性達に言った。
「……ありがとうございます。でも、俺はこんな素敵な女性方には釣り合いそうにありません。
それでは、失礼します。」
女性方に送った笑みとは裏腹に、正直言って彼はああいうのが苦手である。
だからその場を直ぐにでも立ち去りたかった。
それでも彼が対応出来たのは、きっと彼女のお陰である。
女性方の元を離れ、手を胸元に添えた彼は呟いた。
_______________俺の隣はあんただけっすよ。
その言葉を呟いた彼の表情は、なんとも儚く、綺麗だったそうだ。
fin.
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作者名：うぐいす。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/Azukimochi2
作成日時：2019年7月16日 16時
