飛ぶ５秒前 (ページ4)

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本当に夢のような時間だった

アイシングクッキー渡したとき

手が少し触れた

「(キャ～！めっちゃ恥ずかしい//)」

『キャキャ言ってないで部屋に戻りなさいA』

「はーい」

もう少し余韻に浸ってもいいじゃん

とか思ってたけど

明日もまた会えるかな

そっちの方が思いが強くて

「石川…。祐希…。さん…」

その名前を呼ぶのが

また来ればいいのに

ーーーーーーーーーー

『A～！！起きなさい！！』

「あと…。５分…」

『Aっ！！！」

「はっ、はい！」

朝７時。

雛山家の朝がやって来た

『ご飯出来てるから、食べなさいよ～』

「はーい」

怖いけど優しい母と

『おはようA。今日もよく眠れたかな？』

「うん、めっちゃ眠れた」

『Aの寝癖酷いな』

「うるさい、兄ちゃん」

いつも私の相談に乗ってくれる父

頭よし、顔よし。だけど、彼女なしの兄

そして私。

今日も当たり前に１日を過ごそうとしていた

『A～。テレビつけて』

「兄ちゃんがつければいいでしょ？」

『いいよ、父さんつけるから』

ーピッ

「ありがとう。父さん」

『ご飯食べましょう！』

四人で囲う食卓

「いただきます」

トースト食べながらテレビを観ていた

報道からスポーツニュースに切り替わり

ある選手が出演した

‘’石川祐希選手です’’

「祐希さん？！！」

『椅子に座れよ。ってか、朝からテンション高いなA』

「ちょ、静かに」

本当に

あり得るんだ

この人が

‘’それでは、また明日’’

私の好きな人だ