▽ ページ7
.
「そこで止めときゃよかったのになぁ〜」
「いやだって…可愛かったんだよ、赤くなった有岡くん」
「だいちゃんはまぁまぁ可愛いよね、昔から変わんないけど」
光くんや涼介は有岡くんのことを『ちょうどいいブス』だなんていうけど、
俺は愛嬌のある、可愛らしい顔をしていると思ってる。
特にくしゃっと幸せそうに笑う顔が好きだなって思ってた。
「それに雄也がコロッといっちまうんだから、だいちゃんも罪な男だよな〜」
「コロッとって…まぁ、そだね、一目惚れ？みたいな感じだったかも」
今までそういう風に彼を見たことはなかったのだけど、
あの日、あの時、
有岡君の周りだけまるで花が咲いたように明るくなったのを覚えている。
「で、どうすんの？だいちゃんに、冗談だったって謝るわけ？」
「…謝んなきゃ…だよね…」
きっと優しい有岡くんのことだから、俺のことを傷つけないように、
とか気を遣って考え込んでるに違いない。
別に俺は今まで通り、彼が隣で笑ってくれてればそれでよかったのに。
「でもさ…、もったいなくね？」
「は？」
「せっかくだいちゃんを独占できるチャンスかもしんねぇじゃん」
「独占て、俺は別に…」
「本当に？」
酒の入ったグラスを傾けて、薮くんがにやりと笑う。
悪い顔だ。
「薮くん、何企んでる？」
「別に企んでなんかねぇよ、ただ、後になって手を伸ばそうとしても無理なこともあるんだからさ」
「は…」
「雄也には後悔して欲しくねぇだけだよ」
そう言って、酒を煽った薮くんは、わざとらしく「ぷはー！」なんて息を吐いて笑うんだ。
………それって、自分の昔のこと、かな。
なんて。
ここからは俺が踏み込んでいい場所じゃないと察して、
俺も目の前にあるグラスに手を伸ばした。
後悔、しないように、ね。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 579人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「有岡大貴」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あずまる*(プロフ) - unaunaunaさん» コメントに気が付くのがとっても遅くなってしまい、申し訳ありません！tkarのふたりには私もいつもキュンキュンしています！ありがとうございます！頑張ります！ (2018年9月11日 14時) (
レス) id: b6771b90b3 (このIDを非表示/違反報告)
unaunauna(プロフ) - とても素敵なお話ですね♪きゅんきゅんが止まりません！続き楽しみにしてます( 〃▽〃) (2018年4月23日 1時) (レス) id: f9c760e2e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あずまる*
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2018年3月22日 7時
